収納棚をDIYで作る
収納スペースの少ない自宅のリビングに結構大きめの収納棚をDIYで作りました。
目指したのは大人が使いやすいことはもちろんの事、一番は子供が自発的に片付けやすい棚。出し入れがし易いのが最優先です。
この記事では、その収納棚を作った過程・方法を解説していきます!
この記事で作るのは床に置く型の棚です。賃貸物件などで壁面収納を作りたい方は以下の記事がおすすめ。
目次
収納棚の完成イメージ図
我が家は古めの中古戸建をセルフリノベーションしながら住んでいます。現状は以下の状態。この家のメイン生活スペースである1階リビングに収納が少ないんです。棚が全然ありません。。。
大人2人で住んでる時は少ない収納でも何とかなってたんです。ですが、子供は分かりやすく定位置に片付ける場所を決めてあげないと床におもちゃが散乱しちゃうんですよね。
子供の片付けと大人の使い勝手、両方を考えてイメージをざっくり書いた図が以下。
棚は3つのゾーンに分けられているイメージ。
- 右の大きいオープンスペースの棚は、収納ボックスにおもちゃを入れてドカっと置けるスペース。
- 真ん中は右と同じ作りだけど、本棚に使ったり棚板を外して縦に長いものを収納できるフレキシブルなスペース。
- 左は細々としたトミカなどのおもちゃ、文房具などを仕舞う引き出し。
扉を取り付けて見せない収納したりする選択肢もありますが、そうすると1動作増えてしまい子供が自分で片付けるハードルが上がるのでなるべくオープンな棚を採用しました。
まずは収納棚の大枠を組み立てる
作るのは窓の下のスペース。
ここの壁沿いにジャストフィットするような棚を作ります。
元和室なので柱がありオウトツがある為、棚板を切り欠くところから始めました。
板を実際に配置して壁に当てて切る箇所の印を付けます。以下では右端に縦板がくる分を考慮して印を付けます。
以下の左端も同様に実際当てて切る箇所を把握。(寸法を測ってカットしても良いんですが、木材を当てがって印を出すのが精度が高くて楽な手法なのでおすすめ)
柱の出っ張り分カット。
カットや切り欠きを入れて仮で当ててみてジャストフィットしたなら次の作業へ…!
組み立てる前にオイル塗装しておく
以下の4つは棚の枠となる切り出した板。
これをオイル塗装するのですが、なぜオイルを塗るかというと。
1つは、汚れを防ぐ効果がある為。2つ目は、木目を強調し木の魅力を引き出す為です。
木目は好みに寄る所が大きいけど、今回の杉材に限っては塗った方がカッコいいかなと思い塗る事にしました。まぁあくまでメインの狙いは防汚効果です!
オイルを塗る前に紙やすりで表面を整えます。ヤスって滑らかにしてあげる事で触り心地が良くなるだけでなく、塗装による色のムラを防ぐ効果もあるんです。
この量を手でやるのはメンドすぎるので電動サンダー使いました。
やすり掛けが終わっていよいよ塗装。
木目方向に沿って満遍なくオイルを塗って。。。風邪で幼稚園を休んだ息子が何かとカメラに写り込んでくる。笑
僕もやりたいよぉぉ!ねぇお父さん!と叫ぶので手伝ってもらうことに。塗り方にかなりムラっけありますが、まぁオイルなんで一応セーフですw
塗ったのはクリアカラーのオイル。僕がよく使うコスパ最強のユーロオイルという商品です。
このオイルは我が家のフローリングにも使っています。
【関連記事】無垢フローリングにオイル塗装をする
クリアカラーですが、木材は濡れ色になります。着色はしていないので木の自然な感じはそのままです。僕は大げさな着色はあまり好きじゃ無いので木目の魅力を引き出せるこれぐらいの色の変化が好きです。
良い色になりましたよね。
ちなみに使っている木材は以下の記事でも紹介した、杉の集成材。安価なのに良い風合いの板が手に入ります。
>>ビバホームで売ってる「無垢ボード」が無垢材テーブル・デスクが簡単に作れる優れた素材
オイルが乾いたら仮で板を置いて、この枠をしっかり組んで固定する作業に入ります。
下側の固定は横からドリルで下穴を開けて、ビスを打って繋げました。
両サイドの縦板をビスで固定すると以下の状態になりました。次に天板も固定していくのですが、天板は綺麗に見せる為にビスの跡を穴を残したくないのでダボ継ぎという手法を使います。
天板をキレイに見せるダボ継ぎ
今回の棚づくりにおいて、天板だけはダボ継ぎという手法を使って木材と木材を繋いでます。
繋ぎたい板の双方に穴を開けて木ダボという木片で繋ぐ手法です。表面からは繋いだ様子が全く見えない為、美しい仕上がりになります。
ダボ継ぎの方法については以下の記事に書いたので詳しくはこちらをどうぞ。
>>ダボ継ぎのやり方。表面にビスや釘穴を残さず家具を綺麗に見せる手法を解説
区分けするための縦の仕切りを入れる
続いて収納棚を縦に仕切る2つの板設置します。
棚をいったん引っくり返して裏からはビスで留める。
表面側は木工用ボンドのみですが、ズレない用に固まるまでコーナークランプで固定しておきました。
この時点で収納棚の枠となる部分は全て作り終わったことになります。残りは棚板の設置と引き出しの取り付けのみ。
コーナークランプの使い方は以下の記事で詳しく書いています。この工具があると作れるものが圧倒的に広がります…!
>>コーナークランプの使い方、木材の直角固定にDIYで便利なアイテム
棚受けダボ金具を使った可動式の棚板を作る
今回は市販の家具でもよく見かける棚受けダボという金具を使って可動式の棚を作りました!
両サイドに一定の感覚で穴を開け、その穴に金具を差し込み棚板を引っ掛ける方式です。穴に差し込む金具の位置を変える事で棚板を上下に移動することができます。
棚板は可動式にしておくと、収納するものが変わっても柔軟に対応できるところがいいですよね。
棚受けダボによる可動棚板の設置方法については、以下の記事に詳しい方法を書いたので合わせてどうぞ。
棚にレトロ・アンティーク調な引き出しを作る
最後は棚の引き出し部分。
引き出しはオープンな棚より加工精度も必要とされ難易度は上がりますが、地道にやって何とか作り上げました。
今回作った引き出しに関しては、スライドレールを使わずにサイドに取り付けた角材に乗せてスライドさせる方式を取ってます。
スライドレールって一度引き出しを全部外してしまうとハメ込むのにコツがいりますよね。その点、今回の単純なスライド機構であれば4歳の子供でも引き出し全体を外したり入れたり容易にできています。
見た目もカッコいいし満足度の高い箇所になりました!
引き出しの詳しい作り方は以下の記事からどうぞ。
>>アンティーク感のあるスライドレールを使わない引き出しを作る
家の壁に取り付けて完成
最後の仕上げとして、ジャストサイズに作った収納棚を家の壁にビスで取り付けました。今回僕は家に固定して備え付け家具にしてしまいましたが、もし賃貸だったら置くだけで終わりで良いですね。
完成した収納棚の全体像はこんな感じ。
これだけの棚でもかなりの収納力があります。現時点で入れてみたら子供のおもちゃがかなり片付きました。
子供が大きくなればメインの用途を本棚やランドセル置き場として使ってもOK。かなりフレキシブルに使っていけます。
掛かった資材代は2万円ぐらい(工具抜き)。製作時間は買い出しなども含めると全部で3~4日掛かったと思います。
引き出し部分に真鍮の取っ手を使ったのが結構な出費に…痛てぇ…。時間もかなりの部分が引き出しに掛かっています。笑
それでも2m近い大型の家具で2万なら十分安い!素材も化粧合板などではなく杉の本当の木材で納得したものが選べました。これがDIYの醍醐味!!
今回はダボ継ぎしたり、引き出し作ったりしましたが全部オープンな引き出しの収納棚とかであれば、もっと簡単に安くできるはずです。
自分で必要だろうと考えた用途で作ったものが、家でバッチリ用途にハマって家族に使われているのを見るのは楽しい限り。市販のもので満足できなければ作ってみてはどうでしょうか。
次は棚は棚でも賃貸物件に壁面収納を作ったお話です
賃貸物件の壁に棚が可動式の壁面収納を作ってみました!もちろん傷など付けず元に戻せるように。
コメント一覧
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こちらのブログで無垢材で作業机を作る記事を見てみよう見真似で作ってみて、以来DIYに(初心者ながら)ハマっている者です。いつも楽しい記事をありがとうございます。
1点こちらに関して質問なのですが、底板を床につけず、少し浮かせた(10c程度)場合、つまり側面の両側の板のみで立たせた場合、強度的には怪しいでしょうか..?棚の中にはキッチンの用具(皿、調味料など)を入れることを想定しています。
意図としては、少し下に隙間を開けることでルンバが倒れる隙間を作りたいと思っております..
uemさん、こちらこそ制作報告ありがとうございます。記事がお役に立ったようで嬉しいです。
記事にある収納棚のように縦に板が何箇所か入っていれば強度的にも大丈夫かと思います。
ただ、記事では床置き(というか壁に固定)前提で縦板はボンドでしか止めていないので、縦の仕切り板もダボ継ぎかビス止め必須かと思われます。
両サイドの板のみで浮かせるとのことですが、以下のような脚を4本〜6本取り付けてみるのはどうでしょうか?
実は僕もこの記事の棚とは別に新しい棚を作ろうとしていて、この脚を使って浮かせる予定です。自分的には角度の付いた脚でかっこいいなと思っております。笑
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こんにちわ、簡単な食器棚を作りたいと思い作り方を調べていたらこの記事にたどりつきました。
難しいと思っていたダボつぎもわかりやすく解説してくださっていてとてもためになりました。
この記事の作り方ほぼそのままで引き出しなしの棚を作ってみようと思います。
そこで一点質問なのですが、こちらの木材の木や加工の種類を教えて頂けないでしょうか。
塗装も含めてとても好みだったので同じような感じにしたいな、と思っています。
お忙しいところ恐縮ですが、ご回答頂けましたらとても嬉しいです。
それでは失礼致します。
こうさん、こんにちは!
大きいものだと時間は掛かりますが、一つ一つの作業はそれほど難しくないので根気と楽しめる気持ちさえあれば誰でも制作可能かと思います!
木材に関しては、以下の記事でも使っている杉の集成材を使いました。
ビバホームで売ってる「無垢ボード」が無垢材テーブル・デスクが簡単に作れる優れた素材
塗装に関しては、ユーロオイルという天然成分で作られた木材用オイルを使っています。
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ご参考になれば嬉しいです!
はじめまして。こういう棚を作ろうと思って検索してたらここに行き着きました。とっても丁寧に書いていただいていてとてもためになります。ありがとうございます!!!
アカシアにワトコオイルのダークウォールナットを塗ろうと思っています。組み立て前にオイルを塗られていたと思うのですが裏面はどうされていますでしょうか??完全に表が乾いてからひっくり返して裏を塗っていますか???
色が色なので両面塗装したいので組み立ててから両面塗ろうかと思ったのですが大きいサイズの物を組み立ててからひっくり返したりが容易ではないと思ってこちらの手順のように先に塗りたいと思ったのです。
塗装だけの記事を探してみたのですが、見つけられなかったのでもしお時間頂けるようでしたら教えて頂けすと嬉しいです。
宜しくお願い致します!
ayaさん初めまして!
裏面も表が乾いてからひっくり返して塗ってますよ〜!
組み立ててから塗装しても全然大丈夫だと思いますが、奥の上の方塗る時首が痛かったり細かい隅の塗装とかがめんどくさいなと感じて、結局僕は先に塗ってから組み立てる方法で落ち着きました。
先にチマチマした塗装とかやってたら組み立てまでに飽きちゃう性格の人もいますし、本当その人によってどっちが合っているかになると思いますが、僕は後で楽したい派なので先に塗装がおすすめですね!笑