電源がない場所・屋外でのDIYにポータブル電源が思っていたより結構使える!?
僕にはいつか街から離れた山中に小屋を作りたい、という願望があります。
しかし、ずっと気に掛かっていたのが電動工具を動かすための電源確保をどうするかです。
そこでふと思い浮かんだのが、ポータブル電源って電動工具動かせるの?という疑問です。と言うのも、ポータブル電源には最大何Wまでの機械・家電なら動かせますよーという制約があるからです。
もし電動工具がポータブル電源で動かせるなら、
- 小屋を建てたい山の中
- まだ電気の来ていない建物の中
- 単純に室内で電動工具を使うと木屑が舞ったりして汚れるのが嫌だから屋外でDIYしたい
という方々のニーズを満たせるのではないかと思うのです。(バッテリーで動かせる工具も大分増えてきてますが、まだまだコンセント給電式が多いです)
と言う事で、この記事ではポータブル電源でどんな電動工具が動かせるのかについて検証してみたいと思います。
目次
今回検証に使うのは、小型ポータブル電源「BLUETTI EB70S」
今回、検証に使うポータブル電源は比較的小型のBLUETTI (ブルーティ)「EB70S」という機種。ポタ電の中ではミドルクラスの機種です。
以下が主なスペック。
項目 | 詳細 |
---|---|
機種 | Bluetti EB70S |
容量 | 716Wh |
定格出力 | 800W(瞬間最大 1,400W) |
重量 | 9.7Kg |
サイズ(cm) | 32 × 21.6 × 22 |
バッテリー | リン酸鉄リチウムイオン電池 |
充電サイクル数 | 2,500回以上 |
パススルー充電 | 対応 |
波形 | 純正弦波 |
今回の検証で注目すべき点は、定格出力800W(瞬間最大 1,400W)という数値です。
この数値はポータブル電源の機種によって違うのですが「EB70S」の場合、消費電力が800Wまでの電動工具なら動かせますよー!と言う目安です。
ちなみに家電や電動工具は最初の起動時に一気に電力を使うので、工具に記載してあるWより高い電力を使うものです。そう言った瞬間的な高い電力でも1400Wまで耐えられる設計になっています。
※ポータブル電源には定格出力300W〜5000Wまで対応している様々な機種が販売されています。その中でも僕の持っている「BLUETTI EB70S」の800Wはミドルクラスの機種。これ以上になると急激にサイズとお値段が上がります。
定格出力800W(瞬間最大1400W)で動かせる電動工具を実際に検証
スペック数値の前提を抑えた所で本題に入っていきましょう!
今回動かせるか試すのは以下の7点の電動工具。
- 丸ノコ(大)[1050W]、丸ノコ(小)[550W]
- スライド丸ノコ[1050W]
- インパクトドライバー[180W]
- トリマー[400W]
- グラインダー[720W]
- サンダー[190W]
- ベルトサンダー[680W]
リンクは実際に使った機種。カッコ内にはそれぞれの工具の仕様として記載されている数値です。
定番のジグソーだけ持ってません。すみません。。
丸ノコ[1050W & 550W]
丸ノコにはバッテリーで動くタイプもありますが、コンセント電源の物が多く値段もバッテリー駆動より安いです。
まずは刃の直径165mm径の大きめの機種から試します。
1050Wとポータブル電源の規定数値を超えてるので厳しいと思ってますが……GO!!
う、動いた!!!
1050Wと記載されていても動かせるっていう事実はアレも行けるのでは、コレも行けるのではと希望を持たせてくれますね。
消費電力的には起動時の一番高い数値で570W代。
その後回してると330W代で安定しました。
負荷が掛かると落ちることもあるのでは?と思い、2×4(ツーバイフォー)材を切ってみました。
この通り、サクッと切れます。
しかし何回か試しているとスイッチを押した後、たまに停止まる事もあって動作は安定しない感じです。
ならば、直径147mm径の小さめの丸ノコならどうだ?と言う事で試してみました。
こちらは消費電力550W。スイッチを入れてみると…
余裕で動きますね!消費電力も最大330W代。大きい丸ノコと150W近くも違います。
230W付近で安定しました。
小さい丸ノコは何回起動させても停止する事もなく安定して使えました!
【結論】小さい丸ノコの方が心配せず使えて良いですね。
スライド丸ノコ[1050W]
次の工具はスライド丸ノコ。
スライド丸ノコにはバッテリー式の物はないので使えれば神なのですが。。
少し回転してすぐ停止してしまいました。何回試しても同じです。
さすがにスライド丸ノコは厳しそうですね。もう少し上位機種のポータブル電源なら行けるかもしれませんが。
【結論】定格電流800Wポタ電ではスライド丸ノコは動かない。
インパクトドライバー[180W]
インパクトに関しては、バッテリー式が主流で僕もバッテリー式とコンセント式の両方持っていますが、コンセント式の方はバッテリーがへたる心配がないのが良いです。
まずは、ビスなどを打たず空回しから。トリガーはMAXで引きます。
全く問題なく動きました。消費電力も以下の通り、かなり低いので安心して使えます。
長めの75mmビスを打ち込んで負荷を掛けた状態も試してみます。
余裕です。
【結論】インパクトドライバーは下位機種でも使えそうなぐらい安定している。
トリマー[400W]
トリマーは家具などに使う事が多い工具。うちでは余り使わないので安いものを持っています。
動きそうな気がしてますが…。
おお、動いてくれました!
トリマーは起動時の電力が低くて、ジワジワ上がっていき230W代で安定しました。(この機種特有かも?)
木材を削ってみても大丈夫です。
【結論】トリマーは問題なく使える。
グラインダー[720W]
グラインダーは結構パワフルな工具な印象があって、実際に消費電力も720Wと高めです。
動くか…!
起動時に少し回ってすぐ停止してしまいました。。
うーん、さすが「最大出力 960W!!」と大きめの電力が要ることをシールを貼って強調しているだけある。
しかし、いろいろ試していると、、グラインダーの電源をオンにした状態でポータブル電源側のスイッチを入れると動く事が判明。笑
消費電力を見ると555W。
以下の様な小型タイプ(500W)だったら普通の使い方でも動くかもしれませんが、大きいグラインダーはあまり当てにしない方が良さそうですね。
【結論】工夫したら動くけど、通常は動かないので使えないと思った方がいい。小型だったら800Wポタ電でも動くかも。
サンダー[190W]
安い機種。もう少ししっかりした機種だと消費電力も高いのかな?でも僕の用途ではこれで十分です。笑
記載電力も190Wと低く、想定通り安定して動きました。
消費電力も記載通り。
安定すれば100W以下です。
ベルトサンダー[680W]
最後にベルトサンダー。これは680Wとなかなか強めです…!
オン!!ヴゥゥン……速攻で止まりました。
グラインダーと同じく、元の記載電力が高いので厳しいですね。
その後、ベルトサンダーをオンにしたままポータブル電源側を起動するという先ほどの方法を試してみたところ。動きました。
630W代。高いですね。
【結論】工夫したら動くけど、通常は動かないので使えないと思った方がいい。
ジグソー(推測です)
ジグソーは持っていないのですが、以下の機種を見てみると450 Wと消費電力はそれほどでもないので、おそらく問題なく動く気がします。
電動工具800Wポータブル電源動作検証まとめ
今回の検証結果をまとめました。
- 丸ノコ(大)[1050W]:動くけど不安定
- 丸ノコ(小)[550W]:安定して動く
- スライド丸ノコ[1050W]:動かない
- インパクトドライバー[180W]:安定して動く
- トリマー[400W]:安定して動く
- グラインダー[720W]:動かない(起動の仕方を変えれば動く)
- サンダー[190W]:安定して動く
- ベルトサンダー[680W]:動かない(起動の仕方を変えれば動く)
ポータブル電源の機種グレードを上げたり、消費電力の少ない工具機種を選ぶ事で結構動かせる事が分かりました。
丸ノコが使えるので思っていたよりポータブル電源で屋外DIYができそうですね!
ポータブル電源で電動工具が活躍しそうなシチュエーションを挙げてみる
バッテリー駆動の電動工具も増えてきたのでインパクト・丸ノコぐらいしか使わないのであればポータブル電源なしでも行けますが、あれば使える工具の幅が一気に広がることが分かりました。それにバッテリーも充電できるし安心ではあります。
ポータブル電源があれば電動工具を使った活動が楽になるんじゃないかなと、僕が思い浮かんだシュチュエーションはいくつかあります↓
- 山の中で小屋を作る
- ツリーハウスを作る
- 川や湖の真横にサウナを建てる
- 海の家を建てる
- 電気の来ていない建物内の工事
- 辺境の地でフェス会場の設営
- 室内を木屑で汚したくないから屋外でDIYしたい場合
こんな感じで電源のないシュチュエーションでは活躍するのかなと思いました!
今回動いた電動工具で事足りる方は僕も持っている「EB70S」
もしスライド丸ノコなども使いたかったとしたら、「EB200P」という一つグレードの高い機種だと定格出力電力 2200Wなので恐らく使えるのではと思います。(検証していないのであしからず)
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