ディアウォールやラブリコは危険なのか?安全な使い方を考えてみる
ディアウォールの棚が崩壊した。という記事を以前見かけました。
これだけの重さの物が倒れてきたら確かに恐い。。。
しかしながら、僕はいままで10回ぐらいディアウォールとラブリコで棚を作っていながら、一度も倒れた事はありません。こう言った倒壊した話をよーく見てみると、それは設置の仕方や使い方に問題がある場合がほとんど。
今回は、僕が設置時に気を付けていることや経験上気をつけるべきこと。そしてメーカー公式の耐荷重などの推奨値を確認して、安全な使い方を考えていきます。
目次
ディアウォール・ラブリコで作る棚の耐荷重について
まずは一番気になる、どのくらい重い物を乗せても大丈夫なの?という気になる所から。
耐荷重についてはラブリコに詳しく表記があったのでそれを参考に見ていくとします。(参考:ラブリコ2×4_使用荷重から)
棚板の両側に柱を立てる場合
2×4材で棚を挟む形で作る場合、ラブリコアジャスター自体には制限がないようです。ですが、棚受けや板材の耐久性によるとのこと。
そこで、ラブリコ純正の棚受けパーツの耐荷重を見てみると。
- 棚板1枚あたり30kgまで
- 棚板の長さは120cmまで
- 段数は4段まで
との記載が。さらに1×4、1×6、1×8で耐荷重が変わる様です。
柱の片側に荷重がかかる場合
- 柱一本あたり20kgまで
とのこと、ということは単純に考えて柱2本立てれば40kgまで、柱3本立てれば60kgまでいけますね。
メーカー公式が出してる数値なので、多少の余裕を持った値だとは思いますが荷重範囲で使えば安全性は高くなると言えます。
ディアウォールの耐荷重は曖昧な表現
一方で、ディアウォールの耐荷重に対しての表記はというと。以下の様にかなり曖昧な表現。(参考:良くある質問|DIAWALLよりスクリーンショットを掲載)
商品紹介で使っている画像の様な範囲で使ってくれよってことですね。まぁ数値はなくとも、なんとなく分かりますよ、なんとなくは。
床や天井の素材、下地の強度などいろんな環境の要素で変わってくるので一概に数値を出せないとの判断なのかもしれませんね。
ちなみにディアウォールの耐荷重の表現は曖昧ですが今まで使ってみた経験では、テレビの壁掛けぐらいなら全然大丈夫でした。
【参考記事】【賃貸DIY】ディアウォールの柱を見せないスマートな壁掛けテレビを実現する
ディアウォールとラブリコは同じ用途の製品なので、ラブリコの数値を参考に見る感じで良いのかもしれません。(※責任は負えませんが)
注意:ジョイントを使うと耐荷重が下がる
ディアウォールにもラブリコにも2×4材を繋ぎ足す事ができるジョイントパーツというものがあります。
このジョイントを使用した場合、ラブリコの公称値では「柱の片側に荷重がかかる場合、柱一本あたり10kgまで」と耐荷重が10kg減少します。
ディアウォールには記載がありませんが、同じ様に耐荷重は低くなると思った方が良さそうです。
耐荷重の話はこんなところでしょうか。ここからは他に気をつけるべき所を話していきます。
2×4材はしっかり垂直に立てる
当たり前ですが、柱が傾いた状態で棚などを作ると寸法が合わなくなるどころか耐久性が落ちます。
水平器を使って2×4材が傾いていないか確認します。これはディアウォールとラブリコの取扱説明書にも書いてある基本中の基本です。
また、ホームセンターで売っている2×4材は反っているものや捻れているものが多いです。歪みの少ないものを確認してから購入する事を勧めます。
ツーバイ材の選び方については以下の記事でも少し触れています。
天井と床の下地を確認しておく
先に耐荷重などの話をしましたが、そもそもディアウォールやラブリコの突っ張って柱を立てる系のアイテムは、天井の下地が通っている箇所じゃないと基本的には突っ張る力を得られません。
というのも、いつも皆さんが見ている天井は石膏ボードという脆い板に壁紙が貼られたものです。そして石膏ボードの天井の裏には以下の様な木材の下地、もしくは鉄骨が組まれていたりします。(マンションの場合梁部分はコンクリートなこともあります。)
上の画像を見ると分かる通り、壁際はほぼ確実に下地が通っているので突っ張る事ができるのですが、念のため設置場所の天井がしっかり固定されているか・押したりして動かないかを確認しておくべきです。
※下地が入っていない場所への設置は天井を破損する可能性があります。
床も同様に柔らかい床だと注意が必要です。特に以下は気を付けるべき。
- マンション・アパートなどで最近見られるフカフカしたフローリング
- クッションフロアの敷かれた床
- 毛足の長いカーペットの上
- 畳(和室)
床が柔らかいという事はその分へこむので、マニュアル通りの寸法で2×4材を立てても突っ張り強度が弱くなります。床のへこみも考慮した分の2×4材の柱の長さが必要になります。カーベットは滑らない素材か、も確認した方が良いですね。
また和室の場合、天井が引っ掛けられて吊るされている形状も多いです。ゆえに天井が緩いことが多いため和室にディアウォールやラブリコを突っ張るのはおすすめ出来ません。
空気が乾燥する冬は木材が収縮することを前提に定期的な点検をするべき
多湿の夏と、乾燥する冬で木材に含まれる水分量が変わってきます。その結果、夏は伸びて冬は縮むという伸縮が生じます。
よって、夏にディアウォールなどで突っ張った木材は冬に縮むので注意が必要です。逆に、木材が収縮している冬にDIYした場合はこの点問題は無い気がしますね。
と言っても、夏にDIYしちゃイケナイと言っているわけではありません。夏に作られたディアウォール・ラブリコを使った棚なんて世の中にたくさんありますから。
しかし、冬には緩んでないか絶対に点検することをオススメします。
特にラブリコはネジを締めて突っ張る方式なので、定期的なネジ締め点検が推奨されています。面倒だと思うかもしれませんが、定期的なネジ締め点検をすることで、常に最大の力で突っ張ることができるのが利点です。
一方、ディアウォールはバネ方式で常にバネが効いている状態なので、ある程度の木材収縮にもバネが対応してくれますが収縮すればバネによる突っ張り力は弱まります。
この辺のディアウォールとラブリコの違いは以下の記事で詳しく解説しています。
>>ディアウォールとラブリコどっちが使いやすい?実際に使って徹底比較
ディアウォールを設置する時、推奨値より5mm長い2×4材を用意している話
僕はディアウォールを使う時「床から天井の高さ-40mm」の2×4材で柱を用意しています。
ディアウォールの説明書に書いてある数値は「床から天井の高さ-45mm」なので、推奨値より5mm長い2×4材を用意しているということです。
何故かというと、-45mmで設置したときに突っ張りの強度的に心許ないと思う事があったので、それ以来夏でも冬でもディアウォールは-40mmで設置してます。
ラブリコは特に長くカットする必要もなく小細工はせずに推奨値の「床から天井の高さ-95mm」で設置しています。ラブリコは自分でネジを締めて突っ張るからです。
せり出すタイプの棚には重いものを乗せすぎない
以下は高さが変えられる可動式の棚が欲しくて、ディアウォールと棚柱(チャンネルサポート)を使って作ったものです。
【参考記事】【賃貸DIY】ディアウォールで壁面に可動式の本棚を作る
棚柱を使う場合、前面に棚が来なくてはならないので前にせり出す形の棚が付いています。
ただこの棚がせり出す方式の場合、本などをぎっしり並べる様な重量が掛かる使い方は注意すべきです。この記事の冒頭で乗せたディアウォールが倒れた話でもせり出すタイプの棚に本がぎっしり並べられていました。
上記の画像のものは柱の寸法を長めに取って突っ張り強度を上げて作っています。しかし本は並ぶとかなり重くなるしディアウォールの力を過信はできません。
「柱の片側に荷重がかかる場合」でラブリコの耐荷重で示したとおり、柱2本で40kgまでが現実的かもしれません。
横に長くなる場合、柱を複数本立てることで強度アップ
【参考記事】【賃貸DIY】ディアウォールで棚、テレビ台、デスク、ハンガーラック一体型の全部入り壁面収納を作る
横に大きい棚・もしくは収納になる場合、左右の端に2本立てるだけでは強度的に頼りなくなってきます。そこでディアウォールやラブリコで複数本の柱を立ててあげます。
耐荷重の記載で「棚板は120cmまでにしてください」とありましたが、棚に乗せる予定の重量にもよりますが僕の目安でも1mごとに1本の2×4材の柱を立てるぐらいの感覚でDIYしています。
前面に脚の付いたデスクなどを取り付ける・置くことで安定感を増す
ディアウォール・ラブリコの手前にデスクの様に台を作ることでより安心して使えるようにするのも有りです。
以下のDIYでは重い本棚と一緒にデスクにもなるテレビ台を作りました。
【参考記事】【賃貸DIY】ディアウォールで漫画のための本棚を作る
実はこの手法、ディアウォール公式ページでの作例でも見ることができます。
もちろんこのデスクは無くても棚として成立しますが、あると安定・安心感が得られるのは間違い無いです。
手すりを取り付けたり、登ったり寄りかかったりしない
ディアウォールにもラブリコにも以下の様な注意書きがあります。
「本製品及び取付物に人が登ったり、扉や手すりを取り付けたりする等、体重のかかるような行為・用途は非常に危険なため絶対にしないでください。」
当たり前のことの様にも思いますが、人の体重が掛かるような使い方は禁止されています。
ディアウォール・ラブリコを過信せず使う
思ったより長くなってしまいましたが、気を付けるべき項目としてはこんなところでしょうか。
この記事の文章を読んで思った方もいるかもしれませんが、下地の状況など使う環境によって一概に何が安全と示せないことが多いのです。
そして、もし倒れても誰も何も保証してくれません。僕も使っていて倒れた事はないし基本的に製品として倒れないように開発されているので心配しすぎるのもどうかと思いますが、自分が不安だなと思う使い方をしないことが大切だと感じます。
おまけ:今まで作ったディアウォールとラブリコDIYを以下の記事にまとめたので是非見ていってください。
コメント一覧
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バネは何年持つのでしょうね?
5年10年後位なら大丈夫そうでも
20年後30年後の忘れた頃に弾性が弱まって倒壊とか怖いですが、長期は保証されていないでしょうね。
圧縮されたままのバネの弾性がへたるという話は聞いたことないので分かりませんが、バネがへたるより先に木材の乾燥が極限まで進んで押し付ける力が弱まりそうな気がします。
こんな感じで天井材の劣化や木材の乾燥などいろいろな要因が関わってくるので、メーカーの責任として問うのは難しいでしょうね。
これから棚を作ろうと考えています。
設置方法や設置に関する考え方等とても参考になりました。
注意点をしっかり守って作ろうと思います。
ありがとうございます。
この記事がご参考になれたようで良かったです!
素敵な棚ができることを願っています!( ´ ▽ ` )