ビルのオフィスをDIYでリノベーション。動画制作サイト「Vook」のスタジオを作りました
今回は雑居ビルのワンフロアに入っているオフィスのDIYリノベーションをしてきました。
オフィスを使っているのは、動画制作に役立つチュートリアルを体系立てて配信するサイト「Vook」を運営している株式会社アドワール。
天井を抜いてコンクリート素材を活かした内装になり、クリエイティブな事が起きそうなスタジオに変わりました!その変化の過程を書いていきます。
Youtubeでも動画にしてアップしているので一連の流れを見たい方はどうぞ。
目次
ビルのオフィス初期の状態
初期の状態は良くあるビルのオフィスの光景です。
この空間を動画撮影でも使えるスタジオ的な用途や、人が集うイベント・ワークショップスペースに使いたいとのことでリノベーションしていきます。
天井には煌々と光る蛍光灯。眩しいぐらいです。
床はグレーのカーペット。日本のオフィスではスタンダードな景色ですね。
ちなみにこのビルは1年半後くらいに解体になる予定なんです。それを前提に他のフロアに影響を及ぼす事でなければ、何しても良いと言われています。
ただ、退去予定のオフィスにコストを掛け過ぎるのも…なので、なるべく資材や時間的なコスト等は極力安くする方向で進めていく方針です。それに電気工事以外は皆んなでDIYなので難易度の低い方法でリノベをしていきます。
天井を抜いてコンクリート剥き出しスケルトン化する
前置きはこの辺にして、早速作業していきます。まずは既存の天井を抜くところから。
蛍光灯を外して、天井のボードを外していきます。(※電気系統の配線取り扱いには電気工事士の免許が必要です)
全部外すと…天井もだいぶ高くなるし、コンクリート素材がめちゃくちゃカッコいい!!
オフィスの天井を抜いた時の作業方法や一部始終は、詳しくは別記事に書きました。
天井下地の軽量鉄骨材(軽天・LGS)はライティングレール設置のためにあえて残す選択
天井を抜くと出てきたのが、天井の下地材として組まれていた軽量鉄骨材(軽天とかLGSと呼ばれます)。この軽天の規則正しく組まれた感じがまたカッコいい(と僕は思います)。
リノベーションというと、この軽天も全て取っ払っちゃうことが多いのですが、今回はあえて撤去せずにライティングレールの設置場所として活用していきます。
なぜ軽天撤去せず活用するアイディアを選ぶかと言うと、「コンクリより軽天にライティングレールを設置する方が手間もコストも掛からない」とか、「雑多な電気ケーブルを軽天沿いにまとめられるからコスト削減できる」と言った理由から。
要するに、軽天材を残してそこにライティングレールを設置する選択は、時間も手間もコストも削減できる最良の方法だと判断しました。
このへんの手間や工期、コストの削減について。それと軽天の取り外し方やライティングレール取り付けの詳しい話については以下で記事に書いたのでご覧ください。
>>天井下地の軽量鉄骨材(軽天・LGS)にライティングレールを取り付ける
エアコンのカバーを艶消しブラックで塗る
天井にコンクリートや金属のような力強い素材が出てくると、エアコンのプラスチックがチープに見えて浮いて見えてしまいました。。
そこでエアコンカバーを黒で塗装することでだいぶ雰囲気を合わせることができました。↓テカテカし白いプラ素材より落ち着いた見栄えですよね。
エアコンカバーの塗装については詳しくは以下の記事で!
>>エアコンのカバーを艶消しブラック(黒)で塗ってみたら空間に溶け込んだ
カーペットを外してフローリングを敷く
多少話が前後しますが、天井の撤去が終わった頃にフローリングを敷く作業も並行して進めました。
今回は運良く廃棄予定だったフローリングの端材を調達できたので、ちょっと細切れですが活用していきます。表面だけオークの突板が貼られた複合板なので質感はなかなか良い感じです。
このオフィスはカーペットを剥がすと床はフリーアクセス(床下に空間がありLAN配線などを隠すことができる床)になっています。ただ、このフリアクの床ほとんど使っていないようで、このビルも1年半後に取り壊しが決まっているので塞いでしまっても構わないとのこと。よって接着剤を直接床に塗ってフローリングを貼っちゃいます…!
フローリング側面の凹凸(サネ)を重ねてどんどん継ぎ足していきます。
入り口付近の段差は斜め45°にカットして、機材の搬入などで躓かないよう工夫しました。
実際には今回のように床に直接フローリングを貼れるなんていう状況は少ないと思うので、以下の記事にあるような元の状態に戻せる手段で床を貼ることをお勧めします。置くだけのフローリング板ならいつでも外せて移転先でも使いませるので、ある意味経済的です。
他にもマンションでのフローリング貼りは以下でめちゃくちゃ詳しく書いています。
話は戻って、部屋の半分ほど敷けました。簡単なようで意外と大変なので皆さんお疲れの様子…笑
部屋が広いのでフローリングは2日に分けて施行しました。
角なんかは切り欠いて上手いこと形をフィットさせてあげる必要もあります。
こんな調子で皆んなで協力して2日間ほどで全て貼り終えました。
ビニールクロス(壁紙)の上からペンキでペイント
他にもフローリング貼りと並行して壁のペイントを進めました。Vookの皆さんが選んだカラーはベージュっぽいイエロー。
ペンキが付かないようフローリングはしっかりと養生しておきます。養生はほとんどマスカーと養生テープ、一部だけペンキをローラー容器に移すスペースだけブルーシートを敷いてます。
壁全体を2度塗りしてムラをなくせば以下のように壁が綺麗になりました。
今回は全体をベージュで塗り替えましたが。天井がコンクリートなのでブラックでもグレーでもよし、はたまた一面だけを落ち着いた感じのブルーで塗っても可愛く仕上がると思います。
例えば以下の記事では壁にブルーを塗りました。
僕の自宅では壁を全てオフホワイトで塗り直しています。ペイントの詳しい方法はこの辺の記事でどうぞ。
DIYでオフィスからスタジオへのリノベーションが完成
自分たちでDIYしたオフィスがどう変わったかというと。。。
Before→After
Before→After
やっぱり天井のコンクリートが素材としてカッコいいですよね…。
照明も部屋を満遍なく明るくする蛍光灯からスポットも変えたことにより陰影のメリハリがある締まった雰囲気になりました!床もフローリングになって暖かみのある空間に。
↓天井だけで見てもめちゃくちゃ変わりました。
↓工事中から見比べても、照明や家具が入ると変わりますね。
倉庫は扉を取っ払って出し入れしやすい機材置き場に。
買い出しなどの段取りをしっかりやったので、全作業工程で約5日ほどでここまで仕上げることができました。僕と含め毎日4人〜5人ぐらいがコミットしています。それぞれに掛かった日数はだいたい以下のような感じです。
- 天井撤去、軽天の間引き、ライティングの取り付け計画練り:1日
- フローリング施工、壁のペイント:3日
- ライティングレールなど電気機材の取り付け、配線整理:1日
材料費はフローリングが頂いたものなのでかなり浮きました。掛かったのは電材・照明類とペンキ、塗装用具ぐらい。あとは天井ボードとか軽天材の廃棄処理費用です。僕が材料調達した訳じゃないので詳細は分かりませんが、おそらく20万〜25万ぐらいで収まってます。
今回も社員の皆さんと一緒に楽しく素敵な空間を作り上げることができました!
今までDIYで作ったオフィスの事例もどうぞ
他にもオフィスを3件、個人塾を1件、DIYでの改装をプランニングからサポートしていますが、そのうち記事にした2件の事例もどうぞ!
古い戸建て住宅をインターナショナルスクールの学びの場に作り替えました。
>>築50年の戸建てをDIYリノベーションしたオフィス・ラボの部屋
なんの変哲も無い賃貸物件の一室をオフィスとして借りて自分たちで作り上げました。
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