襖(ふすま)ドアを洋風にリメイクしてみる
アンティークな感じやレトロな使い込まれた風合いのあるドアって憧れますよね。
しかし日本の住宅のドアや扉は素材も形もチープな感じが否めないのが事実です。かと言って業者に頼んで輸入品の高価なドアを頼むのも…。
だったら自分でリメイクしてみよう。ということで、襖(ふすま)をアンティーク調の扉に改造してみました。今回はふすまですが、ドアでも全く同じ方法でリメイクできるはずです。
ふすまリメイクの方法
まず元の襖の状態が以下。ドアの周りは板張りの壁、それに合わせるようにドアの表面は木目調の化粧合板です。
古い家だけどまあ良くある感じ。ふすまの向こうは和室です。
以下実際にやった手順を追って書いてみますね。
化粧合板はそのままだとペンキが乗らないためまずプライマーを下地に塗る
今回ふすまに使われている化粧合板という素材は、表面がツルツルしていてそのままペンキを塗ると密着力が弱くボロボロ剥がれてしまいます。
そこでペンキが塗れる下地を作ってやるためプライマーという下地材を塗ります。
使ったのはプライマーの定番品『ミッチャクロン』
ミッチャクロンについて詳しく知りたい方は以下の記事から。
これを隙間なく一度ざっと塗りました。その後乾くまで放置。
ふすまの表面に使われる素材にはいろいろあって、他に良くあるのは壁紙やふすま紙だと思います。
壁紙、ふすま紙の場合はそのままペンキを塗ることができるので、このプライマーは塗るという手順はとばして大丈夫です。ふすま紙は黄ばんでる事もあるので剥がしちゃった方が良いかもしれませんね。
モールディングや窓などを貼るための場所を決める
プライマーが乾いたらふすまを装飾していきますが、今回のリメイクでは主に以下の3点がポイント。
- 目線の高さに窓を設ける
- モールディング(装飾が掘られたヨーロッパで使われる内装材)を貼る
- 好きなカラーでペイント
このうち1と2を設置する場所を決めてあげます。鉛筆で線を書いたあとイメージを掴むためにマスキングテープを貼って確認してみました。
ちなみにサイズ感は見た目のバランスを見ながら感覚です。気を付けたのは縦の線が揃うことと上下の隙間が均等になること。ここさえ抑えておけばあとはお好みでOK。
窓部分をくり抜く
位置が決まったのでさっそく窓部分をくり抜きました!
ちなみにカットするにはジグソーという工具が便利。他の方法としては、ドリルドライバーにドリルビットを取り付けて穴開けし、その穴から手鋸で切ることもできそうです。
刃の付いた電動工具が怖くなければ、早いし楽だし僕は圧倒的にジグソーがオススメ。
で、ふすまを切り抜くと中は基本的に空洞で。細い木材が一定間隔で入っています。
切り抜いた部分に入っていた角材を周りの空洞の隙間部分に入れるとピッタリ入るんです(当たり前ですが。笑)
空洞のままだと窓が設置できないので、この角材を窓枠の下地として使います。
得られた角材の長さは限られているので4等分に切って角4箇所にボンドを付けて差し込んでおきました。
乾いたらいよいよ次はモールディングを貼る作業。
モールディングを斜め45°にカットして貼る
まずは窓枠の周りをモールディングで装飾。モールディングは45°にカットしてフォトフレームのように付き合わせます。
45°カットで便利というか必須なのがマイターボックスというノコギリのガイドツール。
溝に添わせて切るだけで45°の切り口が作れます。もっと精確で便利なのはスライド丸ノコを使うことですが、高価なので普段DIYをあまりしない人はマイターボックスで良いと思います。
45°カットする方法については他の方法も含めて以下をご参考にどうぞ。
>>木材を30°や45°に切る3つの方法【マイターボックス・丸ノコ・スライド丸ノコ】
こんな感じ↓で窓枠の縁に添わせてモールディングを設置する計画。
窓の部分はコストの安い中空ポリカを使うことにしました。耐久性は強いけど一点に力の掛かる鋭利なものには弱いのでカッターで簡単に切れます。
ポリカ板は両側からモールディングで挟んで固定する方法を取ります。
次に窓以外の装飾部分のモールディングも45°カット。
全部測った寸法通りにカットできたら仮置きしてバランスを見てみます。
うん、良い感じ。ちなみに使ったモールはこちら。(記事の最下部にも使ったものをまとめてあります)
サイズが完全に決まったらモールディングを取り付けます。
窓枠内側のモールは横にすると重力で落ちちゃうのでボンドが固まるまで隠し釘を併用。
平面のモールも裏にボンドを付けて、
ペタペタ貼ればあとは乾くのを待つだけ。
モールディングで囲んだ内側に薄いベニヤ板を貼る
装飾はモールディングの枠だけでも良いんですが、枠内に薄いベニヤを貼るとさらに本格感が増します。隠し味みたいなもんですかね。今回は2.5mm厚の薄ベニヤを使いました。
ただベニヤは反りもあってボンドだけでは上手くくっ付かないことも。ここも四隅に隠し釘を打って接着の補助をしてあげます。
貼り付けたものの全体図はこんな感じ。
モールディングは隠し釘を打つのが結構難しいのでズレてきてしまう場合テープでの固定でも良いかもしれません。
翌日、隠し釘を横から叩いてピンク部分の頭を外します。これでモールとベニヤの接着作業は完了。
そうそう、窓周りにはポリカ板を挟む内側のモールとは別に装飾を豪華にするため外側にもモールを設置しました。
好きなカラーのペンキで全体を塗る
モールディングとベニヤ板が接着剤で固定されたらあとは好きなカラーでペイントするだけ。
今回は壁紙屋本舗さんの「BOTANICOLORS」シリーズ、ヤマモモカラーを使いました。
ペンキ塗ると雰囲気が激変…!良い感じじゃないですか?
一度塗りだとムラが目立つので2度塗り必須です。
あとは乾いたら窓の中空ポリカを入れて、反対側のモールディングも設置して反対面も同じようにペイント。乾いたら元の場所に設置して完成です!
リメイクした襖(ふすま)の完成
なかなか可愛く仕上がったんじゃないでしょうか…!
モールディング良い味だしてますよねぇ。ベニヤ板があることでより立体感とオールド感があります。
モールディングがもたらす見た目の劇的な変化は以下の記事で詳しく紹介しています。
>>モールディングはDIYの切り札!ドアや窓に使うと劇的に垢抜ける魔法の材料
取っ手部分はちょっと手抜きですが、ふすまの引き手の上から取り付けました。これをやるともちろん扉が全部開かない訳ですが、まあギリギリの荷物を搬入するとき以外は困ることもないし…見た目重視で。笑
ふすまと壁の隙間によってはモールディングの厚みも気にした方がいいかも。厚みありすぎると引っ掛かって開かなくなる可能性が。今回はぎりぎりでした。
結果としてかなり雰囲気のある扉にリメイクできたんじゃないかと思います。建具が変わると家の雰囲気もかなり変わるのでおすすめです。
今回使った工具・資材
同じような方法でキッチンの扉をリメイクした話も一緒にどうぞ
同じ手法で古いキッチンもリメイクしてみました!
こちらもホテルのようでかなり良い感じ。ぜひ見ていってください。
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