中空ポリカと木材で植物温室を作る。寒さに弱い植物と種子発芽に理想の環境を

最近、種から植物を育てる「実生」が面白くてハマっています。

4月になり日中は暖かい日が増えてきました。しかし、まだまだ夜間は10°前後。種を発芽させ苗を育てる環境としては安定しないんですよね。

最近は熱帯地域の植物も買うことが増えたので、冬を見越して温室を手作りしてみました!

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植物温室をDIYで作った手順

最初は市販品の温室を検討していたのですが、ガラス温室は高価だしビニールの簡易温室は見た目が微妙…。

ということで、材料は昔DIYで出た廃材を使用して安く温室を作る事にしました。

角材で温室の骨組みを作るところから

まずは木材を使って温室の骨格を組み立てていきます。使う木材は余っていた垂木と呼ばれる30×40mmサイズの角材。

最初に作ったのは温室の底部となる枠。ビスを使って四角く組みました。

一応底部だけ断熱材を入れておくことに。というか、入れる作業が面倒で底部だけで諦めました。。。笑

木材の厚みに合わせて余ってた30mmのスタイロフォームを詰める。

12mm厚の合板を枠のサイズにカットして、適当にビスで固定して断熱材に蓋をします。

片方合板を取り付けた段階で縦の柱になる木材を四隅に配置。

まずは速乾性ボンドで仮で固定します。

接着したら逆にして、裏側からビスを打ってさらに頑丈に固定しました。

四隅の柱を固定できたら底部も合板で断熱材に蓋をしてあげました。

その後また反対にして、縦・横と柱を組んで温室容器の骨組みを作っていきます。

ビスを打つときに90°に木材を固定しておいてくれる便利な道具がコーナークランプ。丁寧にビス留めしたいときに僕は使います。

使い方は以前書いた以下の記事からどうぞ。

コーナークランプの使い方、木材の直角固定にDIYで便利なアイテム

こうして温室の骨組みが完成。

細かい所は結構端折って書いてますが、ここまでの工程で大切なのは事前に各辺のサイズを決めて紙などに書き出しておく事です。その数値に合わせてカット(ホームセンターのカットサービスでも可)すれば容易にここまで来れます。

あとはビスは各2箇所ずつ打って木材が回転しないよう固定するだけ。

カットした合板を貼り付けて温室空間を作る

骨組みができたので、周りを合板で覆っていきます。

扉の部分以外はサイズ事にカットして、適当にビスで固定しました。

今回はそこまで見た目に拘らずビス穴が丸見えでも全然気にしません。

本当は全面アクリルにしたい所ですが、厚めのアクリル板は貴族だけが買える高級品なので僕が使うのは家に余ってた合板です。

中空ポリカで中身が見える扉を作る

扉だけは中空ポリカという二重構造になったポリカーポネート板で温室内の様子が見える素材で作っていきます。まぁ中空ポリカを選んだのは家に余っているからなんですけどね。笑

ポリカ板を角材にはめ込むため、トリマーで溝を掘ってみました。

トリマーは激安のものですが、こんなんでも結構使えます。

ビットはポリカ板と同じ厚みの4mmストレートを使用です。

溝を掘るのは初めてだったのですが、わりと綺麗に仕上がりました。

中空ポリカを窓のサイズぴったりにカットしていきます。

中空ポリカは保温性も高いし、カッターでカットできる加工性の良さが魅力です。窓に使える材料はだいたい以下記事に特徴をまとめてます。

【関連記事】ガラス、ポリカーポネート、アクリルの違い・特徴を比較してみる。それぞれの適性を見分ける事が大事

中空ポリカはリビングの内窓にも使いました!安価で信頼できる材料です。

【関連記事】中空ポリカで見た目も満足な内窓を作る【断熱性能大幅UP!】

カットしたものを仮ではめ込んでみると…ジャスト!

サイズがOKであれば表面の保護シートを剥がして差し込みます。

レトロな窓のようで美しい…

扉は30×30mmの木材を使用し、枠はポリカを交換できる様に接着剤を使わずビスだけで留めてます。ビスのみでも十分な強度です。

扉が完成したので、底面で蝶番で留めてドッキング。

開閉できるようになりました。

スタイリッシュな脚を作って温室本体に取り付ける

どんな家具でも脚がカッコいいとまともに見えるという持論があって、今回も脚だけ少しデザイン性を取り入れてみました。

11°に角度を付けてカットした脚を制作。ビスで留めただけなので角度カットさえできれば難しくはありません。

この二つの脚を適度な長さの角材で3箇所橋渡ししてやりました。

上に天板を付ければそのままベンチになりそう!実際座ってみたけどいい感じに使えました。

作った脚をひっくり返して温室の底部に取り付けます。

ここも適当に何箇所かビスで留めただけです。

これで起こせば温室としての箱は完成!斜め脚のおかげでスタイリッシュな家具に見えませんか?笑

余ってた材で使ってやっつけ設計・制作したわりには上手く形になったと思います。

扉の開閉のための「パッチン錠」を取り付ける

蝶番を取り付けて扉にはなったけど、扉を留めておける金具がまだだったので「パッチン錠」という引っ掛けて留められる金具を買ってきました。

ビスで留めるだけの簡単取り付け。使ってみると調子良いです。パッチン錠にして良かった。

っていうかコレ、普段の生活で何気なく使ってたけどパッチン錠っていうんですね。

隙間テープで機密性を上げる

扉は隙間が有る前提で作ったので、機密を上げたいなと隙間テープを買ってきました。

こんな感じで扉内側に貼り貼り。

しかしこれ、6mmと厚みがありすぎて閉まらなくなってしまった。。閉めれば潰れて大丈夫かと思ったのですがダメでした。

一旦テープを外して、今度以下の2mm厚あたりを貼ってみたいなと思ってます。

温室内の環境を整備する

箱としてのハード部分の制作は一通り完了したので、ここから温室内部を整えていきます。

温室内を2段に仕切る

まず温室を2段に仕切りたいのですが、温室内の植物の出し入れに邪魔になるような太いフレームは使いたくなかったので、細い木材でこんな台を作ってみました。

このフレームを内部でビスと接着剤で固定。右側に空間が余ってますがここはヒーターや少し大きめの植物も置ける様に空けてます。

フレームには網を乗せられるようになります。網はダイソーで買ってきました。結束バンドで止めれば通気性のある台になってくれます。

ヒーターやLED照明の電源コードを通す穴を開ける

電源確保用に裏側の左右に1箇所ずつ穴を開けました。インパクトドライバーにドリルビットを取り付けてガリガリ雑に開けた穴です。笑

テープやエアコンパテの様なもので塞いでも良いし、しっかり塞ぎたいなら以下の様なグロメットゴムをはめ込む前提で30mm径ドリルで丸穴を開けてもいいと思います。

僕は今の季節(4月)室内はそこまで冷え込まないので、換気用に開けたまま運用しています。

LED照明の光を効率的に使うために反射シートを貼った

やるか迷ったのですが、植物用の光反射シートを買って壁面に取り付けてみました。

LEDの光は指向性が高いため、照射の中心部分から外れる植物に少しでも光が回る様にと取り付けました。けど、今回は温室の高さ的に15cmほどの至近距離からの照射で照度も明るいためいらなかったかもしれませんね。

ヒーター、サーモスタット、サーキュレーターで自動温度管理

温度管理ですがヒーターとサーモスタットで全て自動で行っています。

買ったのは園芸で多くの人が使っている信頼性の高い昭和精機工業のパネルヒーターです。

250Wの一番パワーのあるタイプを買ったのですが、このサイズの温室であれば一番小さい150Wでも十分だったなと使ってみて感じました。。笑

サーモスタットがセットで付いているので、一番離れた左上に吊るしています。24.5°まで下がったらサーモスタットのセンサーが反応して電源が付きヒーターが温まる仕組みです。26°ちょいになったら勝手に電源が落ちてくれます。

温室の温湿度の推移を観察するために、SwitchBotのスマート温度計も設置。

これにより過去の温湿度をグラフで視覚的に記録しておけるのでとても便利!

※昼間はヒーターではなくLEDの熱で28°まで上がってます。17日以降は昼間温室を開放してるのでそこまで上がらなくなり湿度が下がりました。

ちなみに僕は温度の記録だけではなく気温が20°以下・30°以上になったらスマホにアラームが来る様に設定してます。もし何か異常があったときでも通知が来るので安心です。

最後に空気の循環を促す、ミニサーキュレーターを置いてます。温度のムラを無くしてくれるし、風が流れていることは植物が健全に育つための要素なので意外と重要な子ですね。

LED照明の取り付けとタイマー自動ON-OFF管理

仮で設置してみた様子

何の植物用LEDを使うかという話はそれだけで1記事書けてしまうので置いておいて、まずは設置した様子からです。

上段には骨組みの角材にねじ式フックを取り付け、結束バンドで吊ってます。

下段は上が金網なので、結束バンドがあればどこでも配置できます。今はとりあえず家にあるアクアリウム用のLEDを設置しました。

上段の植物達は外に出払ってガランとしてますが、夕方には取り入れてます。

下段は実生用。上手いこと管理できているのか発芽してきました。

今後、植物育成用LED照明を統一したいと思っていて、中国のAliExpressという通販で安くて良さげなLEDを買ってみたので、使って良さそうであればいずれ全箇所に取り付ける予定でいます。

そしてLEDの電源も時間でON-OFFするように自動化しています。

使っているのはSwitchBotのスマートプラグ

スマホのアプリからスケジュール設定すればあとは自動でやってくれます。お手軽です。笑

実際に運用して気になること:温室内の湿度と結露

実際に2週間ほど温室を運用してみて気になったのが高い湿度です。当たり前ですが扉を閉めていると常に80〜90%を保っています。

熱帯系の植物の育成には適しているかもしれませんが、これだけ湿度が高いと温室外の気温が寒いとわずかに空いた隙間やポリカ板の窓から結露が見られました。

結露で問題になるのが木材で作られた温室本体です。放置しておくと確実にカビます。ガラスやビニール温室はこういう点で素材として理に適ってますね。。。

ただビニール温室でもガラス温室でも結露は歓迎すべきものでもないし、対策はできるんじゃないかと思ってます。

今考えている結露・カビ対策は2つ。

1つは、以下のようなミニ除湿機を導入する策。

植物に与える水分はカットできないので、除湿機の力を借りるという単純な対策ですがこれぐらいしか思いつかないんですよね。笑

2つ目は、カビ対策として木材に防腐剤を塗る策です。

これに関しては防腐剤に含まれている成分がどのくらい揮発するものなのか、その成分が植物に有害なものなのか慎重にならないといけないなと思っています。

柿渋のような天然成分でできた防腐効果をもつものもありますが、植物に悪影響があるのかもよく分かってませからね。。いっそうの事、ウレタンニスで木材表面に塗膜を張って水分を通さないのも良いのかもしれませんし。

もう少し考えてからベストだと思ったものを試したいと思います。

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次はベランダに作った植物棚の話

ベランダの一番日当たりの良い位置に植物棚を作ってみました。落下防止の対策もしていたり、地味に工夫した力作です…!

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