マンションの一室に遮音規定を満たしてDIYで無垢フローリングを張りました
無垢材の床っていいですよね。触れてるだけで癒されます。
今回はマンション(持ち家)の一室に無垢フローリングを張りました。
マンションの床は遮音が必要だったりと戸建てにフローリングを張るほど気軽にはできなくて色々と大変でしたが、今回は試行錯誤した内容も含めて無垢フローリングを張った作業内容を紹介して行きます!自分で張りたいと思っている方の参考になれば。
目次
今回張る床材は杉の無垢フローリング
昔から日本ではフローリング材として定番な杉。特定の地域のブランドものでなければ比較的安価に手に入ります。フローリング材の中でも柔らかい材でDIY初心者でも張りやすいんです。
特徴としては、軽く硬度がないため空気の層が多く冬でも暖かく感じられます。柔らかいため物を落とすとすぐヘコみますが無垢材なんてのはそんなもんで住んでみると全然気になりません。むしろ傷は経年変化による味ですらあります。
フローリング材の種類と買い付けについては以下の記事を参考にしてみてください。
合わせて読みたい
今回使ったのは以下のように節埋めがある製品だったのですが、こう言ったものであれば安価に無垢フローリングを実現できます。僕は全然気になりません!
部屋の初期の状態
いたってよくある洋室6条の間取り。現状床はフローリングではなくカーペットが敷いてあります。
カーペットの床もふかふかして暖かいし、見た目的にも僕は結構好きです。
しかし色々問題もあって、汚れが落としづらいこと、そしてアレルギーの原因にもなる可能性があるとのこと。
写真には載せませんがカーペットを剥がすとスキマにダニの死骸(白い粉みたいなの)がたくさんいました。今回フローリングに変えたのも子供のダニ・ノミアレルギーを疑ってのこと。
管理組合にリフォームの届出
マンションであればDIYの規模にも寄りますが、管理組合に何月何日から〜何日まで「リフォームするよー」っていう届けを出さなければなりません。
まずは住んでいるマンションの管理規約を確認してみてください。書いてある規約はマンションごとに変わります。あのブログで良かったからうちでも大丈夫というのは通用しないかも(?)です。
管理規約には防音規定値なども書かれているはずです。LL40とかLL45とか言われる数値です。この数値をどうクリアしたかは後ほど遮音材の紹介とともに書きますね。
基本的には「工事内容」、「防音数値を確保できる確証」、「工事期間」の提出が重要になるかと思います。今回はココのマンションに沿ったフォーマットを受け取りそれに記入し必要な資料を添付することで無事受理されました。
あとは施工する前に上下階と隣の家に一言ことわっておいた方が良いですね。
床に手をつける前にドアを外す
フローリング張った分、床の高さが上がるので後ほど扉の底部をカットする必要があります。
フローリング張りを始める前にドアを外しておかないと、場合によっては開かなくて出入りできなくなる可能性あり!
カーペットを剥がす
無垢フローリングを張りたい部屋が畳の和室の場合は、以下の記事を参考にしてみてください。以前僕の家のフローリングを張った時の作業内容です。世界で一番詳しく書かれた畳からフローリングにする方法だと思います!
合わせて読みたい
※今あるフローリングの上に無垢フローリングを重ね貼りする方は下地を作らずそのまま上から張れます。下地作りは飛ばして「無垢フローリングを張る作業」からお読みください。
ここからカーペットを剥がす作業に入ります。
部屋の周囲にグリッパーという板から飛び出た釘みたいなものが出ており、そこに引っ掛けてあるカーペットを外せば簡単にはがすことができました。写真で言うと赤い板がグリッパーです。
カーペットをはがすと遮音材が敷いてありました。遮音材として再利用できるのかは分からないんですが、すでに他の遮音マット買っちゃったので剥がします。
カーペットはもともとフローリングほど足音が響かないためその下に引いてある遮音マットは簡易的なものが多いらしい(?)。審議のほどは分かりませんが後で問題になっても嫌だし新しい高性能なものを調達したならそちらを使います。
遮音材を剥がすと下地のベニヤ板が見えてきました。
余談ですがベニヤ板には糊の跡が残っていたので、以前はここにフローリングかクッションフロアが引いてあったぽいですね。
カーペットは丸めて粗大ごみに出すこともできますが、今回は作業の人数が確保できたので細かく切って燃えるゴミとして出しました。
グリッパーを外す
カーペットが剥がせたら、周りに残ったグリッパーを外す作業。
釘抜きをトンカチで叩いて隙間に抉じ入れてテコの原理で持ち上げると楽に外せました!
釘がいっぱい出ててあぶねぇ…。踏まないように早めに処理しましょ。
遮音材を敷く
今回「わんぱく応援マット」という遮音材を調達。
カーペットや畳はもともと遮音効果があるのであまり気にしなくて良いようですが、フローリングに関して言えば下の階へ音が響かないように配慮が必要です。
マンションにより防音規定が定められていて規定値をクリアする必要があります。この辺がマンションの床をDIYする時に難しいところ。一般の方にとって規定値なんて分かるはずもありませんよね。僕もそうでした。
そこで調べてみたところ、防音規定に関してLL45の遮音等級に設定されているマンションが多いとのこと。実際に住んでいるマンションの必要な遮音等級も確認しておいてくださいね!
今回使った「わんぱく応援マット」は、無垢フローリングを施工した場合においてLL45の遮音性能を確保できる試験結果がメーカー側で出ています。※合板フローリング施工時はさらに数値の良いLL40を満たす。
それら試験結果などの管理組合への提出書類もメーカーが提供してくれました。今回もマンションの防音数値を満たす証明としてメーカー提供の資料を管理組合に提出しています。
わんぱく応援マットの敷き方
黒い方を下向きに敷くかと思いきや、フェルト面が下・黒いラバー面を上にして敷きます。木下地の場合、釘や接着剤は使わずに置くだけでOKとのこと。(参考:わんぱく応援マット施工概要)※下地がコンクリート(スラブ)の場合はわんぱく応援マットが推奨している「セレクティ UR-145」という接着剤を塗ってから敷くようです。
部屋の形に合わせてカットしていきますよー。
どうせ見えなくなるところですから多少の隙間は気にせずに。
以下のような感じで敷き終わりました。歩いてみると柔らかいけど柔らかすぎずという感覚。たしかに足音などの騒音をカットしてくれそうです。
遮音材の上に合板(ベニヤ板)を張る。無垢フローリングには合板の捨て貼りが必要
無垢フローリングは通常使われる合板フローリングと違って、湿度によって膨張したり収縮したり動きます。その動きに合わせて対応できる下地が必要です。
合板を張る(捨て張りする)ことによって釘やビスが効き固定されるので無垢材の伸縮による動きを抑えることができます。遮音材にはもちろん釘は効きませんし、パーティクルボードやMDF合板も釘・ビスの保持力がない(効きが悪い)ためダメです。
無垢フローリングの下地作りには合板捨て張りがいつでもセットです。フローリングの重ね貼りにはいりませんけどね。
合板をカットして部屋の形に敷き詰める
合板を床に仮置きして部屋の形に敷き詰めていきます。
使った合板は一般的なサイズである1820×910mm。9mm厚と12mmがありますが、今回は9mmです。まずはカットせずにそのまま敷いてみて、一枚板で敷けない隙間は丸ノコで切り出します。
合わせて読みたい
丸ノコの選び方についてはこちらから。
カットした合板がうまいこと敷きつめられればOK!
壁と合板、各合板同士は床鳴り対策のために3ミリ程度の隙間を空けて配置。そして合板の継ぎ目が一箇所に固まらないように継ぎ目をずらして配置します。
接着剤で合板と遮音材を固定する
上手く敷きつめられたら、仮で敷いた合板を遮音マットに接着剤でくっ付けます。
使った接着剤はわんぱく応援マットが推奨している「セレクティ UR-145」というものを使いました。
接着剤に付属していたヘラで伸ばしたら合板を敷き直します。
乾くまで合板がヌルヌル動いちゃうので、とりあえず合板の四隅にビスを打って簡単に固定しておきました。
無垢フローリングを張るための下地が完成!ここまで来れば一応床になってるし寝れるしご飯食べれるし謎の安心感がある。
無垢フローリングを張る作業
やっとここまで来ました!やっぱりフローリングを張るのが一番面白い。綺麗な床ができあがってくる視覚的変化は爽快です!
ここからは以前家のフローリングを張った時の記事「DIYで無垢フローリングを張りました。経験して分かった苦戦箇所やコツを解説」と被ることが多くなりますが詳しく書いていきますね。
最初の一枚は雌実(めざね)を壁側にして配置する
フローリングの側面には以下のようなサネという凸凹した加工がされてます。
最初の一枚はへっこんでいる「めざね」側を壁にして始めます。
先ほどとは違う接着剤、根太ボンドというものを床に塗ってからフローリングを置いていきますよー。以下は2枚目以降を貼ろうとしている画像ですが、1枚目でも同じように塗ります。
よくある黄色いパッケージ(酢酸ビニル系)の木工用ボンドは使っちゃダメ。水分が蒸発して硬化する仕組みのため、ボンドが固まるときの収縮&無垢材が水分を吸って膨張し下地とフローリングの間に隙間ができて床鳴りなどの原因になります。
では何の接着剤を使うかというと、無垢フローリングの湿度変化による収縮・膨張に対応出来る弾性のウレタン樹脂系ボンドを使います。今回約6畳の部屋で3〜4本使ったかなーという使用量。
フローリング板を置いたら、「おざね(凸)」の上側から斜め45度にフローリングビスを打って固定。あまり角度を付けず垂直気味に打ちすぎるとビスが邪魔して次の板が入らなくなるので注意!
上の画像だとちょっと分かりにくいので補足。以下のような角度で凸の上側にフローリングビスを打ちます。
インパクトドライバーは施工に必須ですが、安いDIY用のものでも十分。今回はボッシュのプロ用のものを使ってますが以前は以下の安価なモデルを使ってフローリングを張っていました。
合わせて読みたい
インパクトドライバーの選び方についてはこちらから。
使っているビスは以下のもの。普通のビスより細く頭が小さくできています。硬い広葉樹などに打つ場合は上達するまで何本も折ることも。僕は自宅のオーク材で数本折りました。笑 杉の柔らかさであれば折らずに作業できるはず。
2枚目以降は雄実と雌実を噛み合わせて床を張っていきます。ボンドとビス打ちは先ほどと同じ手順。
サネ重ねて施工することで「板同士を接合しやすい」「バタつきを防ぐ」「乾燥期に無垢材が収縮したとき下地が見えない」「釘(またはビス)が隠れて見えなくなる」など多くの利点をもたらしてくれます。
無垢材は湿度によって収縮・膨張するもの。隙間を空けて施工を
「さっきからなんでダンボール挟んでるの?」と画像を見て思う方もいるかもしれませんが、無垢のフローリングは乾燥した冬に収縮し、湿潤な梅雨〜夏に膨張します。
なので乾燥した時期に隙間なくギッチギチに詰めて無垢板を張ってしまうと湿度の高い時期に膨張するための逃げ場を失い、最悪板が反り上がってしまうなどの不具合が出てしまうんです。
このフローリングを施工した時期は冬。無垢材の膨張対策として、壁際は5mm程度。板と板を2〜3mm程度の空けて施工しています。
※以前自宅にオーク無垢フローリングを張った時は梅雨真っ只中でしたのでスペーサーを挟まず施工した過去もあります。(参考記事:DIYで無垢フローリングを張りました。経験して分かった苦戦箇所やコツを解説)
大抵の場合スペーサーを挟んで施工した方が良いです。隙間は開いてもサネがあるし全く問題ないけど、湿度により盛り上がってきちゃったらそっちの方が100倍困りますから。
壁際はダンボール、板の間は厚紙を二重に折ったものでちょうど良いぐらいだったのでその場にあるもので対処しました。
入り組んでる箇所の処理の仕方
真四角な部屋なら施工は簡単ですが、ほとんどの家はそうじゃないですよね。部屋の凸凹に合わせてフローリング板をカットしてあげる必要が出て来ます。
しっかり測定してサイズ通りにカットした板を置いてみれば…ピッタリ!
仮で当てて合わなければ微調整でカットして、とできるのでこの程度の凹凸ならやってみるとそこまで難易度は高くありません。
淡々と張っていく
[根太ボンド]→[サネを噛み合わせて板を配置]→[フローリングビスで固定]とフローリングを張る上で基本となる一連の作業を淡々と繰り返し、一枚一枚地道に張っていきます。
淡々と。と言ってるので退屈な苦行のように聞こえますが、視覚的にも変化が大きいのもあり夢中になれる時間。
挟んだ厚紙の数が達成感をもたらしてくれます。
最後の方の壁際の処理の仕方
フローリング貼り終盤に差し掛かると、壁際の勝負になってきます。
この最後の壁際にフローリングを入れるのがサネも噛み合わせて入れるため結構難しい!
そのまますんなり入る時もあるんですが、僕は前に編み出した必勝法でやってます。
以下のようにフローリングの下を斜め45度にカットするやり方!
丸ノコには角度切りという機能がデフォルトで付いているので、表面に影響が出ないぐらいの範囲で底の部分を斜めにカットします。
そうすることで随分と入りやすくなります。以下の図のような原理。
サイズ通りに板をカットして、根太ボンドを忘れずに塗ってから配置すれば…!
壁際に関してはビスで止めることは不可能なのでボンドのみで大丈夫。ビス固定できるところは打っておきましょう。
以下は部屋の入り口近くの最後の部分。ここもかなり綺麗に仕上がりました。
他の部屋との段差の処理の仕方。見切り材を作る
残ったフローリング材を部屋に張ったフローリングの高さと同じサイズにカットしドレッサーでガリガリ削り角を丸くした材を精製。
それを横から目立ちにくいフローリングビスで固定しました。
作った自分でもびっくりするぐらい見切り材が馴染んだ。笑
ついでにドアの底部も床が上がった分カットして取り付けました!
フローリング貼り完了
やっぱり無垢フローリングは良いですなー!!
柔らかい杉なので感触も暖かい。節有りですがナチュラルな感じで僕は好きです。Before→Afterで見てみると。
↓こうなりました。
部屋自体は床しか変わってないので、テレビでやってるどこかの匠みたいに生まれ変わったというほどではありませんが、全体的に部屋が明るくなった印象で素材感も良く素敵な空間になったと思います。
加えて壁もペンキで塗装してカラー変えたりすると本当に別の部屋みたいな印象にはなるでしょうね。
やっぱり本物の木は温かみがあって良い。
汚れやシミ防止のためにワックスやオイルを塗る
最後に張った床を紙やすりで整えてから、天然ワックスやオイルを塗って水滴や汚れを弾くメンテナンスをしてあげます!
これをすることで無垢フローリングがささくれを起こすことも防げ長く使えます。
天然オイル塗装については以前、我が家のフローリングを塗ったときの詳しい様子を以下の記事からどうぞ。
質問でも感想でもお気軽にコメントどうぞ!