無垢フローリングの種類と選び方。ネットでの個人で買い付けについて
以前に自宅の床にDIYで無垢フローリングを貼りました。
自分でオークのフローリング材を発注し取り寄せて貼ったわけですが、その時感じたことは「フローリングを貼る方法はインターネットにたくさん情報があるけど、何を考慮してどこで買うべきかという情報が少ない」ということです。
そこで今回は実際にフローリングを発注するまでに試行錯誤したことを話したいと思います。フローリングを貼った作業の記事は以下のリンク先からどうぞ。
どんなフローリングを選ぶか
まずはどんな特徴のフローリングを使いたいのかを決めますが、選ぶ要素としては「コスト」「テイスト」「機能」などが複雑に絡み合ってきます。
中でも「コスト」と「テイスト」のバランスはどこかで折り合いを付けて決めなければなりません。自分の中で何を重視するのか優先順位を決める必要があります。
無限にお金があるならただ単に自分の好きなテイストから選べば良いだけですが、現実は違います。単にフローリングと言っても樹種や節の有無によって掛かるコストがピンキリです。自分のこだわりと許容できるコストの狭間で上手い落とし所を見つけ納得いくものを選ぶことになります。
僕の場合は「広葉樹の幅の広い無垢フローリング」が使いたいというこだわりがあったのでその中でなるべくコストの安いものを探したら継ぎ無垢材(UNI)で節が入ったアウトレット品オーク材に行き着きました。
ではどんな種類のフローリングや樹種があって、コストが上がる要因は何なのか?好みのテイストを探しながら見ていきたいと思います。自分なりの着地点を見つけてみて下さい。
※フローリングには大きく分けて「合板フローリング」と「無垢フローリング」に分けられますが今回は我が家でも貼った「無垢フローリング」に絞って話を進めます。(参考:無垢フローリングと合板フローリングの違いとメリット・デメリット)
無垢フローリングの樹種
部屋の印象は、部屋内でも大部分を占める床の色と素材感で決まると言っても過言ではありません。すなわち、どの樹種のフローリングを選ぶかで部屋の印象に強く影響します。
自分がどんな色味や木目が好みなのかを見つけましょう。またはどんなテイストが好きか(北欧・南欧・和・アジアン・カントリーなど)でそれに合う樹種を決めるのもありです。
フローリングの樹種の特徴は大きく分けて「針葉樹」と「広葉樹」に分けられます。それぞれ代表的なものを見ていきます。
針葉樹
針葉樹フローリングの特徴は柔らかいことです。メリットとして「柔らかいくて足触りがいい」「空気層を多く含むので冬でも暖かい触れ心地」がありますが、一方で「柔らかいので傷やヘコみが付きやすい」というのがデメリットになります。
私個人の所感では無垢フローリングは合板フローリングと違い一枚板なので傷がついてもそこまで目立ちません。むしろ積み重ねた長年の傷が良い味になります。傷つきやすいからと神経質になるより一緒に年老いていくという考えで大らかに扱う心構えの方が無垢フローリングには合っていると思います。以下でも傷との付き合い方について語っています。
針葉樹を貼った部屋は優しいナチュラルな感じがでます。杉・檜は日本を代表する木材でもあり古くから神社仏閣に使われ厳格な雰囲気にも繋がります。日本家屋との相性はバッチリです。
スギ
国産木材も多く出回っており高価なものからB級品まで幅広く手に入ります。香りも良い。全ての木材に言えることですが節の入っていない製品になると途端に高額になります。
ヒノキ
山で見ると似たような印象の杉と檜ですが木材としては檜の方が白に近い色をしています。杉より少し硬めで耐水性にも優れます。リラックス効果のある良い香りが特徴で一般的に同じグレードなら杉より高価です。
パイン(松類)
パインは日本でも外国産の材が多く流通していて価格は非常に安価です。塗装や家具次第で北欧テイストにもカントリーテイストにも成りえます。取り敢えず樹種にこだわりは無いから安く無垢フローリングの床にしたいという人にも価格的に合っているかもしれません。経年変化で飴色に変化していきます。
広葉樹
広葉樹のメリットとしては「硬いので傷が付きにくい」。また、色が濃いものが多く、成長が遅い特性上木目が詰まっていて特徴的なので「重厚感や高級感が出やすい」というのがあります。反面「冬にヒンヤリする。」「裸足で歩いた時に針葉樹より硬い」のがデメリットになります。全体的に価格は高価になります。
オーク(ナラ)
フローリング材として世界的に人気の高い樹種。明るめな色だけど落ち着いた雰囲気を醸し出してくれます。比較的硬く耐久性にも優れた木材です。どんなテイストの部屋にも合う優等生。値段は中の上。経年変化で少し濃い色へと変わっていきます。
チェスナット(栗)
はっきりした木目で力強い印象を持ちます。耐水性にも優れ水回りでの仕様にも向いています。落ち着いた色味で経年変化で深い味のある色味になります。
ブラックウォールナット
世界三大銘木の一つ。非常に硬度のある高級木材で高価な家具にも使われます。暗めな色で空間が締まり高級感も重厚感も引き出せる材です。経年変化では色が濃くなると思いきや、白っぽい明るい色に変わっていきます。
サクラ
白い木肌が美しい硬めの木材です。桜の花の様にほのかにピンク色っぽい赤みを帯びています。節が少ないのも手伝って明るい部屋にしたい場合に最適です。値段は高め。
チーク
世界三大銘木の一つ。硬く水にも強い耐久性のある高級材です。ブラックウォールナットより明るい色ですが赤みがかった色をしています。美しい木目と合間って重厚感のある雰囲気をもたらします。
それぞれの樹種を実際に床に貼った雰囲気はSUVACOというメディアが紹介している「どれを選ぶかで空間の印象が変わる!おすすめ無垢材の床7選」が視覚的に非常に分かりやすいです。
価格
他にもフローリングに使われる樹種はたくさんありますがメジャーなものを紹介しました。紹介した種類で価格の目安を付けると以下のようになります。※一個人の感覚です。
パイン≦杉<檜<オーク=チェスナット<サクラ<<<ブラックウォールナット≦チーク
同じグレードで比較したときに限ります。また国産の地域ブランドなどの要素で杉や檜が高価になることも。
これらの中で我が家では少し奮発してオーク材を選びました!アウトレットで手頃な価格で幅広のものが売っていたためです。購入店舗などの紹介は後ほど書きますね。
写真:セルフリノベーションした部屋が完成!掛かった総額を公開にて。
他に価格や視覚に影響してくる要素
フローリングの幅
フローリングの幅には狭いもので57mmから広いもので200mm程度まで様々です。基本的には一本の木から限られた量しか取れない幅広なものほど高価になります。一般的に日本の家庭で使われているフローリングの幅は75mmが多いです。
またフローリングの幅の違いによって部屋の視覚的な印象も変わってきます。感覚的には幅が広いほど空間がゆったりと落ち着いた雰囲気に。幅が狭いほど空間にリズム感が生まれ単調な印象が無くなります。
フローリングの幅による印象の違いは無垢フローリング販売メーカーMARUHONさんの「無垢フローリング、幅によって何が変わるの?」の記事が参考になります。
うちで貼ったオークのフローリングは幅が150mmあります。標準的な住宅で使われている合板フローリングの幅が75mmなので、比べると二倍です。
ゆったり感や落ち着いた雰囲気云々の前に。幅が広いという珍しさだけで他の家の部屋とは違う雰囲気を演出できます。
節の有無
フローリングの節というのは、以下の様に茶色く変色した箇所のこと言います。枯れた木の枝が内部に取り込まれた箇所が節になるそうです。
この節の有無は値段の差として顕著に表れます。節なしフローリング商品になるとグッと値段が高価になるのです。節と言えば杉や檜の針葉樹に多い印象があるかもしれませんが、広葉樹でも普通に節は入ってきます。
そして節には穴(というか欠け)が生じることが良くあります。その欠けた部分はパテで埋められてフローリングとして売られます。我が家でDIY施工したオーク材は普通に店舗で販売できないアウトレット商品だったので特にパテ埋めの大きい部分もある商品でした。一番目立つ節だと↓こんな感じです。その分価格は割安になります。
私としては、まっさらより節アリの木の表情があるのが好きで、好きな仕様なのに安価という一石二鳥な感じでした。笑 節があることでフローリングの汚れや傷に神経質になり難かったりするメリットもあります。
一枚板か継ぎ足して作られているか
フローリング一枚が「一枚板」か「尺を継ぎ足して作られているか」によって値段が大幅に変わってきます。
一枚板は一本の木から採れる枚数が限られているので高価になります。さらに”節”がなく”幅広”のものになると恐ろしい価格になってきます。しかし一枚ものが整然と並んだその空間は高級感・重厚感を出してくれます。
一方、継ぎ足して作られた無垢フローリングは御察しの通り安価です。継ぎ足して作られたフローリングは「UNI」と表記されます(結合を意味するunitedから来ていると思われる)。では「UNI」が品質や見た目で劣るのかというと私はそうは思いません。木目が繋がってないので張ったときにランダム感やリズム感が出るんです。それがまたかっこいいんですよ。賑やかになるので高級感のある路線とは違ってくるのですが、単調さが出ないというのがメリットです。
以下はうちで使ったオークですが、何枚かを繋いで作られているのがお分かり頂けるでしょうか。
このUNIフローリングのランダム感が好きで、結局また好きな仕様が安いという最適な選択となりました!笑 木目が次々と入れ替わる様がかっこいいんですよね。
以上がコストと見た目に反映してくる要素です。まとめると。
- 樹種(パイン≦杉<檜<オーク=チェスナット<サクラ<<<ブラックウォールナット≦チーク)
- フローリングの幅(幅狭<幅広)
- 節の有無(節あり<節なし)
- 一枚板かUNIか(UNI<一枚板)
これらを考慮して理想の樹種・雰囲気・コストの最良な落とし所を決められると良いと思います。私は実際これらを考慮して今のフローリングに決めました。
ただ、勘違いしたくないのは値段が高ければ良いという訳では決してありません。好みの樹種がパイン材であればウォールナットより断然安いですがそれで良いんです。僕も節ありやUNIを自ら望んで選びました。むしろ安価なタイプが好みであればラッキーぐらいな感覚ですよね。自分の好きな樹種と許容できる条件の中でコストと折り合いを付けていきましょう。
もし賃貸住宅や持ち家でもフローリングを貼ることを躊躇しているならば、床に敷くだけで無垢フローリングを手に入れることができるツールもあったりします。敷くだけだったら簡単DIYでできますよね。いくつかの商品がでているので以下でまとめてあります。
合わせて読みたい
実際に無垢フローリングの購入を検討したネットショップリスト
家のフローリングを取り寄せる前に、Amazon・楽天含め、どこで買おうか何十件と木材屋さんのWebサイトを徘徊しました。その中でアウトレットで手頃な価格で無垢フローリングを売っているiikide.comというサイトにたどり着きました。(2017年7月現在アウトレットの取り扱い商品が無いようです)
コストと質のバランスが良さそうと判断しiikide.comで購入したのですが、Webサイトを見る限りしっかりした木材屋さんで信頼できそうというのも決め手でした。
参考までにその他検討した無垢フローリングを買えるお店を列挙しておきます。
- iikide.com:今回購入させてもらったお店、サンプル送付や質問にも親切に対応してくださいました。
- 無垢フローリングドットコム:大手の無垢フローリング店。さすがの品揃えです。アウトレット品もあります。
- mokuzai.com:ここも大手の無垢フローリング店。
- 木魂:樹種や用途による品揃えの数がとにかくすごい。床暖対応・遮音対応・階段用となんでも揃います。
- 木のやすらぎ館:九州の杉・檜材を主に扱うお店。訳あり品が安い。
- Toolbox:取り扱ってる商品にこだわりが感じられる。変わったフローリングも多い。
- イー・ウッド:品揃えが良く安い商品も多い。楽天で決済が済むのもポイントが高い。お値打ち価格フローリングもあり。
- 楽天(無垢フローリングで検索):いろんなお店が出てきますが、”節あり”だとか”UNI” “無塗装”などお好みで検索を付け加えるとかなり絞れてきます。UNIや節ありは安く買えるので予算や好みに合わして探すと良いです。
以上、実際私が無垢フローリングを個人で買ったときに気にしたり気付いたりした知識でした。「フローリングとかもっと安くてワイルドで構わないでしょ」という方は以下の記事も合わせてご覧ください。
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