和室リノベーションDIYで畳からフローリングにする方法(下地編)
前回の「天井の解体時に丁寧に処理すべき箇所と、ぶち抜くと天井裏の壁面補修が必要になる話」までで壁と天井の解体が全て完了したので、今回の記事以降は部屋を作っていくフェーズになります。
今回は和室にフローリングを張る前の下地作り編です。
自分で畳をフローリングに張り替えたいという方は結構多いのではないでしょうか?実際、和室をフローリングにしたときの手順と方法をできるだけ詳しく書いていきます。セルフで挑戦する方の参考になれば嬉しいです。
この記事では洋室と繋がった和室の畳の下地を作ります。もし独立した和室の部屋をフローリングにDIYしたい場合は以下の記事の方が分かりやすいです。後に2階の和室を改装した時の記事です。
合わせて読みたい
畳からフローリングにする場合、リフォーム会社にお願いするという選択肢もあります。お任せする事も考えている方は以下の記事も参考にどうぞ。
目次
まずは畳の撤去から
畳を剥がす
ノミやマイナスドライバーを使って畳の側面に差し込むと簡単に持ち上げられます。想像通りホコリが溜まっているのでマスクを着用したほうがいいかもしれません。
剥がした下は構造用合板(ベニヤ板)が張られていました。
畳の回収を依頼する
近くに畳屋さんがあったので、直接訪ねて回収のお願いをしたら快く車で回収にきてくれました。
私は直接訪ねましたが、店が遠い場合は畳の回収を引き受けているかは事前に電話して聞いてみるといいと思います。回収の値段は1枚あたり2000円でした。思ったより安い(けど、後から調べたら粗大ゴミに出せば1枚1000円でした)
回収した畳は再利用するのか聞いたところ、畳は基本的に再利用はしなくて廃棄処分らしい。今思えば畳を使ったベッドでも作れば良かったなと。畳よ、ごめんね。
下地作りに必要な資材を購入しよう!
資材がないと始まりません。必要な資材について書いていきます。
必要な資材
必要なのは以下の5点です。
・角材:ホームセンターで良く売っているサイズは30mm×40mmなどです。うちの近くでは45×45もありました。
・構造用合板:うちでは合板の中でも安かった針葉樹合板を使いました。
・薄ベニヤ:2〜3mmの薄いベニヤ板を床の平行を取る為の高さ調節用に使いました。これが無いと大抵の床は水平に張れません。
・細ビス:根太の固定には65mm、合板の固定には35mmを使いました。細ビスは木が割れにくく初心者も使いやすい。
・スタイロフォーム:断熱材です。床からの底冷えを和らげます。無くてもいけますが、後々の光熱費にも影響してくる。
これらに加え、丸ノコとインパクトドライバーという2つの電動工具が必要になります。電動工具はなじみが薄い方にはハードル高いように思っちゃいますが、意外と安いし正しい使い方をすれば誰でも扱えます!
角材やスタイロフォームのサイズの選び方
畳を外した部分の段差をメジャーで測って、何センチの角材&スタイロフォームを敷けばいいか計算してから資材を購入しました。 選ぶ角材のサイズ計算は以下のように考えます。
段差=角材+合板(12mm)+薄ベニヤ(2〜3mm)
段差が60mmだとしたら45mmの角材+12mmの合板+薄ベニヤという選択になります。
5mm以下の足りない厚みは1〜5mm厚などの薄ベニヤを挟んで調整します。
ちなみに畳の厚みは55mmか60mmが規格となっているようです。 スタイロフォームの厚みは、段差から合板の厚みを引いたサイズです。段差が60mmだとしたら40mmが最適。我が家でも40mmを使っています。
断熱材ってフカフカで柔らかいイメージがあって床下の測定サイズより厚くても入るだろうと思っていたのですが、スタイロフォームは違います。段差より厚いサイズだと入らないので、絶対に測定した値より薄いサイズを買わないとダメです。
畳を剥がした分、回りの床と高さを合わせよう!
外した畳の厚み分、床を嵩上げし周りの床と高さを合わせなければなりません。実践した手順を載せていきます。
根太の貼り方
回りの床と高さのレベルを合わせる為に根太を張ります。(※根太:床を張るために必要となる下地の木材)
303mm間隔で淵に印を書いておく
303mm間隔で根太を並べるための印を淵に書いておきます。 なぜ303mm間隔かというと。 一般的な合板のサイズが910mm×1820mmなんですね。
このサイズ並べていくことになるのですが、短い方の910mmを3当分すると約303mmだからです。図にしてみると分かりやすいでしょうか。 要するに、1枚の合板の端と真ん中2箇所に根太が乗るようにするんです。
↓このように合板の端は半分だけ根太に乗った状態でビスで固定されることになります。
薄ベニヤを切断し、40mm×40mmぐらいのサイズを大量に生産しておく
床の平行を確保するためのスペーサーとなる薄ベニヤをたくさん切って用意しておきます。 始めは手鋸で切断しようとしたのですが、2.5mmのベニヤとはいえ時間も労力もかなりしんどいので丸ノコを買って切断しました。
私はこれが初丸ノコでした!丸ノコって恐いイメージがありますが、正しい使い方をすればそうそう怪我はしなさそうだなと使っていて感じました。 木材に当たる部分のベースが鉄の安い丸ノコを買ったのですが、使っているうちに鉄のベースが曲がって真っ直ぐに切れなくなってしまいました。買うんだったら最初からアルミベースの丸ノコを選んだほうが絶対にいいです。
おすすめはマキタの丸ノコです。
丸ノコの選び方とDIYでおすすめの機種についてはこちらに書いているので良かったら参考にどうぞ。
根太となる木材を適正サイズに切断する
1820mmあった木材を畳が退いた部分の幅に合わせて切断しました。
角材の切断には丸ノコ定規を買っておいたのが非常に役立ちました。これを使えば初心者でも真っ直ぐ切れます。その必要性は以下の記事にも書きましたが、目立たない補助具だけど必需品です!
↓こんな感じでほぼぴったり入ればOK。これが根太になります。
角材の両端は淵につかないようワザと数ミリ離れるサイズに切断します。もちろん固定するときも数ミリ離します。これをしないと後にフローリングを張ったときに床鳴りの原因になる可能性があるらしい。
水平を取りながら根太を固定していく
ここまできてインパクトドライバーの登場です。これでビスを打ち根太を固定していきます。
使ったのはACコード電源式のもの。インパクトドライバーに関しては以下の記事もどうぞ。
先ほどカットしておいたスペーサー(薄ベニヤ)を入れて僅かに足りない高さを補います。1箇所に1個のところもあれば3個入れ込む所もありました。それぐらい場所によって床が歪んで高さが違います。
根太に水平器を置いて水平が取れてるか確認してからビスで固定していくのがポイントです! ビスはネジの頭がちょっと木材に埋もれるぐらいまでガガガ!っとインパクトドライバで固定します。65mmビスを40cmぐらいの間隔で打ちました。 ※どんな住宅でも基本的に歪んでいるので和室の床のあらゆる場所で段差の大きさが違ったりします。数ミリの違いであれば薄ベニヤで対応すればいいのですが、数センチ違ってくるのであれば使う角材の面を変えたりしてサイズの違いに対応するといいと思います。
反ってない角材を置いてみて根太間でも水平が取れてるか確認しながら固定していきます。水平が取れていないようだったら、ここもスペーサーで調節しました。
断熱材(スタイロフォーム)の入れ方
根太と根太の間にスタイロフォームをジャストサイズに切って入れていきます。
スタイロフォームを切る
根太と根太の間の距離をメジャーで測るのですが、固定した根太は完璧な平行ではないので両端で距離を測った方がいいです。
根太に直接測った数値を書いてしまえば、いちいちメモ用紙とか見なくても直感的で分かりやすい。 スタイロフォームの両端2点に根太間の距離をプロットしておき、切ってない角材や合板などの長いものを当てて鉛筆で切断するラインを書き込んでおきます。
書き込んだライン沿ってにカッターを入れて切るのですが40mmとか厚みがあるので、一度じゃ刃が貫通しません!何度か切り込みを入れた後、手で折りました。
スタイロフォームを設置する
サイズ通りに切ったので根太間に入れていきます。 しかし結構適当なんで隙間ができるんですね・・ 隙間があるとせっかくの断熱効果が存分に発揮されない気がするので隙間を塞いでおきます。 少しの隙間はスタイロフォームの破片をねじ込みました。 大きめの隙間はガムテープで隙間を塞いでしまう。見えなくなるところなんで塞がればなんでもいいんです。 最後の方になってくると、上達してきてほぼピッタリで収めることができるように。
根太の上に合板を張る
ついにこの工程で床になります!根太の上から合板をビスで止めていきますよー。
合板を適正サイズにカットする
合板の1820mm側が長かったのでカットしてから敷き詰めました。
合板を丸ノコでカットするときは丸ノコ定規が使えないので初のフリーハンドでカットすることに。超低速で丸ノコを動かし集中することで初心者でも以外と真っ直ぐカットすることができました。
並べてみるとピッタリ!
追記:あとで知ることになったのですがTスライドという丸ノコガイドを使えば驚くほど簡単に長尺のものを真っ直ぐカットすることができます。この作業より前に知っていれば…。
根太に合板を固定する
インパクトドライバを使ってビスで固定していきます。 手のひらを開いて親指から小指ぐらいの距離感覚でビスを打ちました。 ビスはしっかり根太の位置に打っていきます。スタイロの位置に打っても固定されませんからね。
工程の最初の方で根太の両端の淵に鉛筆でマーキングをしたので、長い角材や合板で両端のマーキングを繋ぐ直線を引いてしまえばビスのうち場所が分かりやすくなります。 このときも回りの淵や合板同士を数ミリ離して固定しました。くっつけて固定すると根太の施工と同じように床鳴りの原因になるみたい。
最後の一箇所! なんとかdiy初心者でも下地の完成まで漕ぎつけました!散らかり過ぎですね。笑
この記事の始めからここまで1.5日ほど掛かってます。床の水平もバッチリ。
洋室と繋げる場合は、ふすまの敷居をノミで削ろう
ここから先は和室だけのリフォームの方はやらなくてもいい可能性があります。
我が家は洋室と和室の境なく無垢のフローリングを貼る(洋室は既存フローリングの上から重ね張り)ので敷居も洋室フローリングの高さ削ってレベルを合わせました。
仏像を彫る気持ちでノミを叩くのがコツです。 ↓すでに半分削れてますが、これをもっとノミで削って。 和室も洋室もレベルが合いました。これでフローリングも段差無く貼れます。
※和室のみリフォームの方は他の部屋のフローリングと高さを合わせる為に、新しく張るフローリングの厚みぶん合板を下げて張る必要がありますので良く計画を練ってみてください。
これで和室にフローリングを張るための下地は完成です。
今回作った床の上にフローリングを張るのはリノベーションの一番最後の工程になります。その間には壁を作ったり、ペイントしたりの工程が入ってきます。
【追記】この記事で作った下地の上に無垢フローリングを張りました!
合わせて読みたい
和室のセルフリノベーションでやったことをまとめた記事です。
>>DIYでセルフリフォームして分かった簡単に和室を洋室に変えるポイントを紹介
DIYではできそうにない…という方はこちらの記事も読んでみてくださいね。
>>和室6畳を畳からフローリングにリフォームする場合の費用は?
次回は電気配線の工事です
電気工事士さんに電気工事に入ってもらいました。
次の記事>>抜いた天井の配線整理。電気工事だけはプロに!委託した作業と手順
「リビング・和室のセルフリノベーション」シリーズ記事一覧はこちら
コメント一覧
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FBでも探したのですが、みあたらず直コメ失礼します。
いつも楽しみに拝見してます。その後リノベの進捗はいかがでしょうか?
お急ぎのようだったので、もう完成してるかもしれませんね。
もし人手が足りないとかなら募集かけてください、タイミング合えば参加希望です。
我が家も似たようなことをやってます。
今後ともよろしくお願いします。
武田 イサオさん
コメントありがとうございます。そしてかなり返事が遅くなりすみません(汗)
この記事の部屋のリノベーションは既に完成しています!
ブログを更新できずにいたのは、他のDIYに熱中したり子育てに追われておりました…
またぼちぼちブログ更新していく予定です。
イサオさんのところも何やら大規模にリノベってますね〜同じ都内とのことで近そうですね。
こちらこそ今後ともよろしくお願いします。
初めまして!
昨年末、大工業を営む友人から新築時に余った無垢フローリング材を大量にもらったので、祖母の住んでいた家に引っ越すにあたり、子供部屋にする和室を洋室にセルフリフォームしてみようと、こちらにたどり着きました。
とても詳しく説明していただいているので助かりました。
大晦日に根太、スタイロまで終わらせましたが、手持ちの丸ノコがイマイチだったので、大事な無垢材カットをする前にと
歳末特価だったマキタ丸ノコを購入し、元旦早々に合板まで施工出来ました。
これからいよいよ無垢材施工です。
本当に参考にさせていただき、ありがとうございました!
もうご覧になっていないかもしれませんが、お礼だけでもと思い、書き込みさせて頂きました。
はじめましてー!
嬉しいコメントありがとうございます!自分の経験が誰かの為になればと詳しく書いた甲斐がありました;∀;
上手く行っている様で良かったです!そこまで行けばフローリングは最後の一枚以外そこまで難しくないはずなので頑張ってください〜!
まさかまさかのお返事、ありがとうございます。
ひとつ質問させてください。
無垢材の仕上げ材についてです。
記事を拝見しているのですが、子供の相手をしながらの少ない自由時間のなかで読ませていただいており、
まだ見つけられていないのですが・・・
和室からのリフォームの際、無垢材には何を塗られましたか?
オイルワックス?水性ステイン?水性ウレタンニス?
オイルフィニッシュ風に仕上げたいのですが、子供部屋のため色々考えておりまして。
ホームセンターでは水性ウレタンニスを進められました。
アドバイスをいただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。
うちの無垢フローリングはオイル塗装で仕上げています。以下の記事をご参照ください。
https://99diy.tokyo/wooden_flooring_oil/
オイルフィニッシュのようなマットな仕上げが希望だと、メジャーな所でオスモカラー・リボス・蜜蝋ワックスなどあります。でもこれらは結構お高いです…笑
うちではコスパの良いユーロオイルという製品を使ってます。安価なのに自然素材で性能も良くてマットな仕上げ、かなり良いですよー!
アドバイス、ありがとうございます。
実はちょっとした問題が・・・
当初、もらってきたフロア材はすべて無塗装の無垢フロア材と思っておりました。
が!中途半端に使いかけでもらってきたいくつかの箱をすべて開封してみたところ、一箱だけテカテカした材が。
この箱には数枚しか入っていませんでしたが、オイルの文字と、オスモ?だったかな、なにか記載がありました。
もしオスモだとしたら、高価なオイルが塗布済みということですよね。だとしたら、削り落とすのはもったいない。
でも何十枚とあるフロア材の数枚のために高価なオイルは買えないなぁと。
いまでも仕上げ材について悩んでます・・・当初の希望とおり教えていただいたユーロオイルか、子供部屋なので傷や汚れを防ぐためにも
ウレタンでいくべきか。
どうやらまたフロア材の余分が出たらしく、少しもらえるようなので、材をもらいながら仕上げについてはもうしばらく悩んでみます。
また不明なことがあったら、コメントさせていただくかもしれません。
ぜひその節はよろしくお願いいたします。
あっ、そうそう昨夜記事を読ませていただいて、セルフリノベ中はおうちをオープンハウスされていたのですね。
都内とのことですので、行って現場を拝見したかったです・・・
オスモが高価と言ってもそこまで大したものではありませんよ〜。
ユーロオイルの2倍くらいなので数枚なら塗ってある金額としては本当にたかが知れています。
僕が思うには以下の2通りかなと。
・6畳とか広さのない部屋ならば、全面オスモで塗る
・20㎡以上あるような広い部屋なら塗ってあるオスモをヤスってユーロオイルのを掛ける。
狭い部屋であるほど金額差が開かないのでオスモで良いかと!それにオイル塗装されているのをヤスリがけするのは電動サンダーを使っても思っているより時間が掛かります。
もらえそうな床材の余分で足りたら良いですね!
初めまして、畳をフローリングにする方法を検索しておりこちらにたどり着きました。写真も文章も分かりやすく、非常に参考にさせて頂いております。
大変恐縮ですが質問です。
こちらの記事を見ると根太と断熱材の高さに差があり、捨て板と断熱材が密着していないようですが、今現在断熱効果は感じられますか?
かくいう私もこちらの記事を参考に作業を進めており、根太(高さ40ミリ)の間に断熱材(30ミリ)を敷いた所です。
先日、”根太と断熱材の高さに差があり捨て板と断熱材の間に空間があると、そこらか空気が入り断熱効果が無くなるため根太と断熱材の高さは同じにするべき”という記事を目にし、この10ミリの空間を埋めるべきか非常に悩んでおります。
実際に施行した方のご意見をお聞かせ頂けると非常にありがたいです。
よろしくお願い致します。
はじめまして。僕はプロの大工でも専門家でもないので細かい所は気にしすぎず施工しましたが、10mm上げる根気があるならスタイロの下にベニヤを挟むなどして捨て板にビタ着の方が確実に断熱の効果は高いと思います。
畳を剥がすと場所により高さが微妙に違っていたりしませんか?僕の場合、その高低差を薄いベニヤをスペーサーにして挟んだりして高さ調整をしています。スペーサーを噛ませている所は根太の高さもまちまちになり、スタイロも場所によってピンポイントで捨て板ちょうどの高さに仕上げるのに手間が掛かりすぎるなぁと思いそこまでやらなかった経緯があります。スタイロは硬いので根太の高さ以上の厚みにはできなく微調整に気が狂いそうだと思ったので…笑
ただ捨て貼りとスタイロの間に空気が回るようでは断熱的にスタイロ入れた意味がないので、根太間の横の隙間と上下の隙間はぎっちり詰めて、捨て板とスタイロの間が密室(?ひとつの独立された空気の流れない空間)になるようには気を付けました。
断熱性能は違う環境との比較ができないので分かりませんが、今の所とくに問題だとも感じていません。
長くなってしまいましたが、僕の状況が少しでもご参考になればと思います〜!!