低コストの無垢床材はないのか?SPF材をフローリングとして使う事について考察する。

SPF材

ある日、ホームセンターに行った時のこと。SPF材(ワンバイ材とかツーバイ材と呼ばれるもの)の白く美しい木目や優しい素材感に魅せられ、フローリングに使えないかなと思ったのです。

その気付きがきっかけで色々と調査し始め、リビングのセルフリノベーション真っ只中だった当時、実は本気でSPF材をフローリングとして検討していた時期がありました。

床材は無垢材にしたいというこだわりはあったけど、樹種に関しては割と執着がなくて節など入ってもいいからコストの安いものを検討していたんです。

私のDIYリノベーションの方針としては、

「素材にこだわりながらも、なるべくローコストで仕上げること。ただし本当に使いたいと思ったものには妥協はしない」

というもので、SPF材はコストと素材の両方を自分の中で満たしていた夢の素材でした。(最終的には5000円/1㎡するオーク材に一目惚れして結構高く付いたんですけどね)

今でもSPF材を見るといつかはフローリングに…なんて思っているんですが、SPF材をフローリングに使うことについて私なりの調査と考察をまとめてみました。

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SPF材とは

ホームセンターで売られている2×4材(ツーバイフォー材)などに使われる木材の総称のことで、

Spruce(スプルース):唐檜(とうひ)
Pine(パイン): 松
Fir(ファー)::もみ

という3種の木材の頭文字をとってSPF材と呼ばれます。

これらの木材は見た目も強度もほぼ変わらないためSPF材としてひとくくりに区別されずに売られているんです。

【参考記事】ツーバイフォー材(2×4材)、SPF材の規格サイズ早見表

柔らかくて加工しやすい、安価、流通量が多いということで、DIYをする人にとってはとても馴染みの深い木材でもあります。

しかし、環境によっては腐りやすい木材なため、屋外で使う場合にはしっかりと防腐塗装しないといけません。今回みたいにフローリングとして屋内で使う想定では腐食についてそれほどシビアに考えなくても大丈夫かと思います。

その他、考慮すべき欠点を以下であげてみます。

SPF材をフローリングに使う欠点

調べてみるとSPF材は湿気や乾燥による暴れがひどく、反ったり痩せたりねじれたりが顕著にでやすい樹種のようです。

その為、フローリングとして張った後に「床鳴り」「反りによる段差」「板間の隙間が空く」という欠点があることが分かりました。

実際、ホームセンターに商品として並んでいるSPF材を見ると、店舗に並んでいる状態なのに既に結構な反りが出ている状態でした。

SPF材の反り

これらの欠点を見ると、従来の合板フローリングに対しての価値観(収縮膨張しないなど)の固定概念がある人には厳しい素材かなと思います。

事実、フローリング用に加工された木材ではないため、実(さね)がないんですね。そうすると木材表面から直接ビス打ちして床に固定することになり、ビスの頭が見えてしまうことはもちろん、足触りにも影響を及ぼすという欠点があります。

※実(さね)については、DIYで無垢フローリングを張りました。経験して分かった苦戦箇所やコツを解説の記事の一部で詳しく書いています。

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ワイルド思考なら有りな選択肢だと思う

SPF材をフローリングとして検討していた当時、以下の面白い記事を見つけました。

>>キャンディタワーの秘密基地建設計画(フローリング貼り替え編)

賃貸物件の床を一面SPF材でフローリングにするという記事です。今見ても面白い!(この部屋が現在どうなっているか気になる)

最終的には白ペンキで塗っていますが、何も塗らない素のままでも十分かっこいい!塗装しなければ北欧っぽいテイストです。

SPF材のフローリングは見た目や質感的には確実に有りです。

あとはさっき挙げた欠点をどこまで許容できるかによりますかね。

隙間が空くこと、ビスの頭が露出していること、反ること、床鳴りが起こりやすいこと。私としては安価な素材なだけに、こまけぇこたぁいいんだよ!!と思ってしまう人なので、汚れること前提で採用するなら有りだと感じます。

実(さね)がなく直接ビスで固定しているので、汚れたり暴れが出たらいつでも交換できるというのもこの材をフローリングとして使うことの面白い一面だと思います。

もし使うなら、1×4材(ワンバイフォー)か1×6材(ワンバイシックス)が良さそうです。

【追記】先日、SPF材を実際にフローリングとして使っている部屋を取材したので記事にしてみました!異なるサイズをランダムに使っていてこちらもカッコいいです!SPF材の特徴を活かした清潔感のある雰囲気も見ものです。

>>SPF材のフローリングが特徴的な低コストリノベ部屋。空き家の一室を再生し住まう暮らし

実際どのくらいのコストで張れるのか

実際どのくらいのコストで張れるのか計算してみると

先ほど紹介したブログ記事の特価価格SPF材が1㎡あたりの価格で約1550円(販売店によって変わります)なので、

6畳(約10㎡)を張るのに15500円という破格で仕上がります。

1550円/1㎡という値段は、安い部類のB級フローリング材2000円/1㎡と比べてもやっぱり安い。

通常のフローリングに至っては4000円/1㎡以上のものが殆どなのでどれだけコストが抑えられる威力があるかも分かってもらえたと思います。

まあ、1×6材の1820mmが1本398円というのもなかなかお目にかかれない価格な気もするけど…

我が家がSPF材をフローリングとして採用しなかった理由

本気でSPF材フローリングにすることを検討していた我が家ですが結局は断念しました。

なぜ断念したかというと、実(さね)のある正規のフローリング材と違って床に打ったビスが隠せないことが最大の理由です。

うちには赤ちゃんがいました。素肌のままハイハイします。

そうなるとやはりビス打ち箇所の引っかかりや、微妙なササクレが気になるんです。

私個人としては、ビスが見えてることもカッコイイと感じるので良いんですが、一緒に住む家族のことを考慮すると採用できなかったのです。

それでもいつかSPF材でワイルドなフローリングをDIYしてみたい

子供が巣立って、どこかの田舎の別荘にでも隠居したらセルフリノベーションしてSPF材を使いたいなと今でも思っています。

ローコストでこれだけ素晴らしい質感の床が張れるんですから!それに細かいことは気にしないと言う寛大なスタイルが憧れます。

数十年後このブログがあればまた報告するかもしれませんw

というわけで以上、床材として面白い可能性を秘めているSPF材の考察でした!

追記

先日、ホームセンターに行ったとき「杉の野地板」という材が目につきました。

野地板というのは、本来屋根の下地材として使われるみたいだけど、これ床材としてもいいんじゃないかな?

表面がザラザラしているし反りもあるので土足が前提になりそうですが。

最近は足場板を床に張るのが流行ってますが、同じような感覚で張れそうです。店舗に良さそう!

計算してみると、一枚あたりの面積が180mm×1820mm = 0.3276㎡でこれが5枚で998円。

1.638㎡(0.3276×5枚)あたり998円ということになります。

これを1㎡あたりで考えると、609円/1㎡と無垢材としては最高のコストを誇る床材になり得る!SPFが1550円/1㎡でしたからね。

6畳(約10㎡)を張るのに6090円はヤバすぎる。

ネットでも探してみると、以下なら864円/1㎡というものはありました(送料別)。

これは最高の床素材を見つけてしまったかもしれない…。もし私がカフェでも始めるとしたら間違いなくこの材で張りますわ。

フローリング樹種について詳しく書いた記事も一緒にどうぞ

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