DIYで抜いて良い壁、ダメな壁の判断。耐震に影響のある壁とは?

階段下の壁を解体自身のリノベ経験と書籍やネットでのリサーチ結果から、抜いていい壁、抜いちゃダメな壁を分析していきます。

壁解体の実録は、以前書いた以下の記事からどうぞ。

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この壁、撤去して耐震的に大丈夫なの?

壁を撤去してしまって耐震的に大丈夫なのか。

セルフリノベーションを始めようとしているほとんどの人が悩む問題だと思います。 どの柱を抜いたらマズイのか、建築の知識もない素人には分かりませんよね。

これに関しては、正確な知識のない私が無責任なことは言えません。 素直に分かる人に診断してもらいましょう! 親族に建築の知識がある人がいたら、石膏ボードを撤去した後の柱の構造を写真で送って聞いたりしても良いかもしれません。

しかしそんな知人が近くにいる人の方が稀ですよね。そんな僕らは自分で最低限の知識を付けなければなりません。

実際問題、壁を壊して骨組みを見ないと分からない場合が多い

設計図の残っていない中古住宅では、壁の表面を壊して中の柱の構造を見なければ、残すべき壁(柱)なのか分からないことも多々あります。

では、どんな構造だと壁や柱を抜いてはいけないのか。を分かる範囲で書いていきます。

自身の経験と調査から、抜いていい壁、抜いてはいけない壁が分かってきた

分かる人に聞いてくれ!と言いながら、なんとなく見分けが付くようになってきました。 抜いていい壁、ダメな壁。
※あくまで参考程度にしてください。自己責任でお願いします。

抜いていい壁(柱)

1、垂れ壁

壁内の柱が見えてきた

この画像のような垂れ壁が耐震上重要な壁というのは無いです。

使われている木材も細く、鴨居(ふすまの溝が彫ってある垂れ壁下部の枠)の部分も貧弱ですし。 石膏ボードが止められるように下地用の柱ということになります。

ただし!鴨居が梁としての役割を担っている場合は別です。撤去すると非常にマズイ。 このような構造の一部として使っている鴨居は「差し鴨居」と呼ばれます。ふすまの溝が掘ってある木材だとしても梁(構造材)の役割もしているため木材の太さが圧倒的に違います。まぁこういうのがあるのは古民家ですかね。(参考:日本の伝統構法、構造に効く差鴨居

太い角材で組まれてる場合は自己判断での撤去は止めた方が賢明です。

2、内部が30mm×40mm程度の角材で構成されている壁

IMGP2697 これは壁の表面を壊してみなければ分かりません。 柱を見た感じ一本一本が細くて明らかに構造材だとは思えません。

住宅の構造上重要な柱とこのような石膏ボードを止めるための下地柱とでは決定的に太さが違うことを身をもって知りました。構造材として使われているものはどれも150mm×150mmぐらいあります。

ただし!世の中にはツーバイフォー工法(木造枠組壁構法)というのがありまして。2×4材が規則正しく並べられ壁には脆い石膏ボードではなく構造用合板で貼られています。

2×4材はメジャーな規格で木材のあるホームセンターでは確実に置いてあります。この壁の場合は耐震に必要な壁なので撤去はダメです。ポイントは表面が構造用合板で貼られているということです。
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以下の書籍は素人にも分かりやすく木造建築の構造について書かれていて非建築家におすすめできる本です。

3、マンションの間仕切り壁

基本マンションの壁はコンクリートの壁でなければ耐震と関係ないようです。

ただし!抜いた先がパイプスペース(PS)ではない事を確認してから撤去しましょう。PSを抜いたから耐震的にヤバいということではありませんが、給排水管やガス管・電気配線などが通るパイプスペースは、マンションの共用部分となるので基本的には移設は難しい場合が多いです。だったら再度壁を作る手間を掛けないために壁を抜かない方が良いですよね。

抜いちゃダメな壁(柱)

1、筋交いが入っている柱

Sujikai.jpg
出展https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/60/Sujikai.jpg/576px-Sujikai.jpg?uselang=ja

上のような壁の中に、”X”や”/”の柱が設置されていたら、その柱は撤去してはいけません。

撤去はできないのですが、戸建てのリノベーション物件を雑誌などで見ているとよくあるのが、筋交いをワザと見せるインテリアです。「化粧筋交い」と呼ばれます。筋交いをあらわしにするのもかっこいいですよ。(参考:一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」:住宅の化粧筋交い

2、壁材自体が耐震性能のある壁の場合

先ほども書きましたが、2×4工法などで石膏ボードではなく構造用合板が打ち付けられていたりすると耐力壁と呼ばれる耐震に必要な壁な可能性が高いです。

そもそも石膏ボードではなく構造用合板を使っわれているということは何かしらの理由でその壁に強度を持たせたい意図があると思って良いです。「考えなしにこの壁は壊すなよ」という警戒ということです。注意してください。

しかし、壁紙の貼られた壁の表面の材が石膏ボードなのか構造用合板なのか素人目には分かりませんよね。これを見分けるにはいくつかの方法があります。

  • コンコン叩いてみると音が違う
  • 電気スイッチやコンセントがあれば外して断面を見てみる
  • 画鋲などの針を挿してみた感触の違い

どれも誰もが一発で分かる方法ではないのですが、一番確実なのは目視できるコンセントを外す作戦でしょうか。

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壁解体の判断まとめ

少し長めにゴチャゴチャと書いたので最後にまとめてみます。

そもそも「壁の撤去」という言葉には二つの意味(作業)が含まれると考えています。

1つ目は、今見えている表面の壁の撤去です。

これに関して言うと、

  • 壁の素材が石膏ボードならば(表面は)耐震には関係ないので壊して大丈夫です。
  • 対して素材が構造用合板で張られている壁ならば何らかの理由で強度を強くしたいという製作者の意図があり、耐震に関係している可能性が大きいです。抜くのは諦めるのが懸命です。

2つ目は、壁内部の柱の撤去です。

  • 筋交いが入っている場合。これは取っ払えませんが、インテリアとしてもOK。
  • 明らかに太い柱(150×150mm)みたいなものが出てきたらそれは残した方がいいです。
  • 対して、私のブログに出てくるような細い木材(30mm×40mmとか)で組まれた壁は耐震に関係ないので抜いても大丈夫。

壁は叩いたり電器スイッチを外してみれば素材は分かりますが、内部の柱は壁を壊してみないと分からない事も多いです。プロでも解体してみないと分からないそうです。

私は建築士ではないのでこの程度しか分かりません。他にも抜いてはいけない壁があるかもしれないのでよく調べてみてください。

耐震は命に関わる部分。解体のプロにお願いするのも賢い選択

ここまで書いてきましたが、やはり自分の判断だけでは自信が持てない方も多いと思います。このブログにも定期的に「壁を撤去して耐震的に大丈夫か悩んでいる」というお問い合わせが来ることからもそれが分かります。(※結局私が分かるのはここに書いてあることが全てです。)

耐震関係は命に関わる部分でもありますから壁の解体はプロに任せるのも本当に賢い選択だと私は思っています。自分でやるより多少お金が掛かっても命の危険が避けられるなら全然安い買い物です。大地震が来たらと地震のたびにヒヤヒヤするのも辛いですから。

実は私も自分で撤去できなければ解体業者にお願いしようと、リノベ作業前に「解体無料見積ガイド」という無料で複数社に一括見積を取って解体工事の最安値を見つけられるサービス先に問い合わせをしたこともあります。

「自宅をDIYでリノベーションしようとしているのですが、個人邸で一階の壁と天井の小規模なスケルトン解体だけでも依頼することは可能ですか」と問い合わせたところ「もちろん可能です」とのことでした。「どこそこの壁だけを撤去してほしい」「この部屋だけスケルトンリフォームしたい」などの要望もあればその通りにやってくれるそうです。

ホームページは家まるごとの解体しかやっていないような印象ですが、小規模な個人邸でのスケルトン解体(室内の壁や天井を抜く解体のこと)も依頼できます。

そして何より解体業者さんにお願いする最大のメリットは、作業の際「この壁は耐震に関わるから撤去できない」という事も判断して作業してもらえるということです。プロが解体の可否を判断しながら作業してくれるのでそれだけで価値があるんですよ。

壁の撤去や電気配線などの責任が取れない箇所だけはプロにお任せして壁のペイントやフローリング貼りは自分でやるというのも立派な戦略です。一部分だけプロに任せたとしても、全てをリノベ会社に任せたリノベーションよりも半分以上安く仕上がるはずです。

とりあえず、各社の見積もりの金額と最安値を見てお願いするか判断するというのもありですね。コストと希望のデザインの良い落とし所を探してみてください。

次の作業は和室の長押撤去

前回までで壁の解体は終わったので次は並行して作業を進めていた長押の撤去についてです。

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